きまやのきまま屋

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『うつ病で半年間~』という本を読んだ&その他ネット発の本、うつの本

三畳一間のアパートで元ヤクザ幹部に教わった、「◯◯がない仕事だけはしたらあかん」という話 | STORYS.JP

 

最近この記事で紹介されていた、この本を読んだ。

うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話

今Amazonでベストセラー1位らしい。

 

しょっぱなから自殺未遂を始めるのでびっくりしたけど、そこでは家族に発見されて助けられ、それからしばらく寝たきりで過ごしていた主人公がうつを乗り越えていく過程が詳しく書かれている。

 

読んでみるとこの主人公は(ノンフィクションなのに「主人公」ってなんか変な感じだけど)、元々の性格は明るく元気だったことが分かる。そもそも学生時代からアジア各国を旅して回っていたからこそ、うつになった時にも、将来の指標にできる目的や生き方をすでに見つけていた。辛すぎて忘れていただけ。

 

「うつになって以降人と話すことが怖くなった」と書かれているけど、彼の行動を読んでいると元の性格はそうでもないんだろうなっていう感じもした。

 

「芸は身を助ける」じゃないけど、今までの生き方で培っていた行動様式が、病中の彼を助けている様が伝わってくる。

じゃあ元から引っ込み思案な人はどうしたらいいのか、とも思うけど…。

 

でもこの人の場合は「優しい職場でも駄目だった(p52)」わけだから、「人と一緒に働くということ」そのものに我慢がならなかったようで、単独行動が向いている人なんだろうと思う。発病前はリア充っぽかったこの人も、芸すべてが達者なわけではなくて。

 

 

最初の記事でも紹介されているあいりん地区でのおじさんとの出会いが一番鍵になるシーンではあるけど(章も長い)、個人的にはその前の「中途半端な夢に決着をつける(p78)」というところが興味深かった。

 

音楽や文筆業で生計を立てることに憧れている人は多いけど、本当にそれが最大の目標なのか??と考えてみたら、ただの憧れであって実際にそれに伴う苦労や苦痛などには耐えられないということもあるんだ、ということを実践してみせている。

 

「『作家になること』が目標なのか、それとも『ただ書きたい』のか」問題みたいな。

主人公も実際にやってみてそれに気がついたから、今まで自分が「夢」として大事に抱えていたものをさっぱりと諦めることができたようなので、何事もやってみないと分からないし始まらないんだなぁと思う。

 

ただ全体として『うつ病で半年間~』はうつ闘病記として読むと中途半端な感じがあるし(前述のように「元の性格めっちゃ元気やん!」とツッコみたくなる、あとうつ病といいつつたぶん軽度な方)、ビジネスサクセスストーリーとして読んだ方がいいのかも?まあでも寝込んでいる期の描写はけっこう迫ってくるものがあった。

 

うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話

うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話

 

 

その他ネット発の本 

この話は元々ネット上で公開されていて、そこから書籍化されたらしい。誰でも自分のストーリーを書いて公開できるサイト「STORYS」から。

STORYS.JP ストーリー一覧

最近では『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』っていう本も売れているみたい。

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

 

こちらの通称『ビリギャル』の方もネット上で一部読んだことがあるけど、こちらは文章的に…読みにく…っていうところがあった。出版されてどれくらい直ったんだろう。

 

こういうネット発の本っていうのは、「ストーリー(アイディア・ネタ)が突飛」か「読むに耐えうる文章である」かのどちらかが突出していないと出版の呼び声がかからないものなように思うので、そういう意味では『うつ病で半年間~』はストーリーも文章もけっこうちゃんと成立している。時制があちこち飛ぶけど、一応の効果はある感じで進んでいく。

 

そういえば主人公は小説家を目指していたようだし、そのスキルもここで生きたってことだね。

 

 

ネタも文章もいいとなると2ちゃん系の方が強いと思うけど(「良い文章」かどうかはあれだけどエンタメとして)。

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

 

 

2ちゃんじゃなくてWeb発でも、面白い本(マンガ)はいっぱい。

キャッチャー・イン・ザ・トイレット!  (双葉文庫)

キャッチャー・イン・ザ・トイレット! (双葉文庫)

 
旦那が何を言っているかわからない件

旦那が何を言っているかわからない件

 

 

『旦那が何を言っているかわからない件』はアニメになるそうで、楽しみ。

はてなでも書籍を出している人がいるし、ブログからライターになった人もいるし、文章力があれば拾われる時代になっているんだね。

 

 

参考リンク:ネット発書籍データベース(ちょっと情報が古いけど参考に)

【2ちゃんねる】書籍化された2chスレまとめ【良質】 - NAVER まとめ

 

 

最後に

うつ病関連で私が読んでよかったと思っている本をご紹介。
死ぬほど辛い時はこういうのを読んでみるのも手だ。少なくとも私はそうしてきた。下手な自己啓発本を読んでも仕方ないので、精神科医の本がいいと思う。大野裕、諸富祥彦は特にオススメ。
「うつ」を治す (PHP新書)

「うつ」を治す (PHP新書)

生きていくことの意味 トランスパーソナル心理学・9つのヒント (PHP新書)

生きていくことの意味 トランスパーソナル心理学・9つのヒント (PHP新書)

 

 

精神科医が見つめた 心が病むということ癒されるということ

精神科医が見つめた 心が病むということ癒されるということ

 

 

女性には断然これ。イラスト入りで読みやすいし、色々なライフイベントに伴ううつ病の発症について詳しく書かれている。結婚、引っ越しでもうつになる人がいるということを知らないでいると、後々辛いでしょう。

友達が落ち込んでいたらこの本から当て嵌まる項目をピックアップして、コピーして渡すと喜ばれる。 

女性のうつがわかる―もしかして「うつ」?と思ったら読む本

女性のうつがわかる―もしかして「うつ」?と思ったら読む本

 

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