きまやのきまま屋

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夏になると思い出す小説を挙げてみる国内編ゆるめ

今年の夏は全然暑くなくて助かりました。が、暑くなさすぎるせいでこの記事を下書きに入れたまま忘れ去っていたきまやです。

 

海外編が超有名&固めだったので、国内編は柔らかめな感じで挙げてみました。本読みさんなら知らない本がないレベルかと思いますが、フィクションには詳しくないよーっていう人向けに。

 

ちなみに私の身近な小中学校って、もう学校始まってるみたいなんですけど、世間一般ではまだ始まってませんよね?

この中の半分くらいはいわゆる「読書感想文」向きになってます。あくまで半分ですが。

アタリハズレがあるので、この中から選ぶのはギャンブルです。ぶっちゃけ言うと、ページ数が少ないものがアタリです。確認してね。

最初の3つはミステリ。

姑獲鳥の夏

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

言わずもがなですが、これを紹介しないことには先に進めません。ただのツッコミ除けです。私にとっては初の京極だったので、印象深くもあります。

映画はどうだったんだろー?

 

リライト

リライト (ハヤカワ文庫JA)

リライト (ハヤカワ文庫JA)

こちらは去年の夏に、タイムリーに読みました。

夏休みタイムリープ青春もの。題材はベタですが佐々木敦さんがTwitterで褒めていたので、読んでみました。本好きな人に嬉しい仕掛けがあります。

とにかく根気よーくリライトしていくお話です。よく飽きないね!っていうその繰り返しを楽しみつつ、ほんの少しの違いに目を凝らしていないと、ラストくるっと引っ掛かります。

私これ、一読ではタネが分からず数時間考えこんでしまいました。あそこにあの本があれだから、ああなるわけです。

これ以降この作家さん追ってないんですが、続きものっぽいものが出てるみたいですね。リアクト (ハヤカワ文庫JA)リビジョン (ハヤカワ文庫JA)だそうです。

ただ文体が、私の好みよりもラノベ寄りなんですよね…。単純に面白びっくりなトリックを求めるならいいと思いますし読みやすいんで、軽めのが好きな方に。

  

夏と花火と私の死体

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

『リライト』を思い出したところでなんとなく連想した、乙一のデビュー作。まさかの死体目線。これがデビュー作って乙一マジでひどい(褒めてる)。

乙一ってなんか地元が近かった気がする…。でも乙一なら、中田英一名義の方が個人的に好きです。くちびるに歌をは号泣しました。あれは舞台夏でしたっけ?島の話だから海のイメージはあるかも。

ペンネーム、Z1→A1なんですよね…。こだわるなぁ!

 

ここからさわやか系。

夏の庭

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

小学校6年生男子3人の、夏休みの成長譚。無邪気ではなくむしろ問題を抱えた少年たちが、寄り添いながら、自分たちより弱い一人暮らしの老人を見つめている。なぜなら「死」が見てみたいから。

少年と老人の交流がいいです。そして主人公が最後に決意する夢もいい。優等生っぽいけど簡単には割り切れない、読書感想文も書かせやすそうな内容ですね。

 

ホテルジューシー

ホテルジューシー (角川文庫)

ホテルジューシー (角川文庫)

同じ作家の『シンデレラ・ティース』と対になっている作品。最初の方の「夏だからバイトしたいね!」っていう女子二人の会話が、両作の主人公になっているんですよね。

どちらかというと『シンデレラ~』は都会的な日常謎解きモノなので、夏の冒険で主人公が成長していく感がある『ホテル・ジューシー』の方が好きです。沖縄が舞台。

たしか『ワーキング・ホリデー』も夏っぽい短篇集でした。

 

シルエット

シルエット (講談社文庫)

シルエット (講談社文庫)

これ、全然内容と題名が合っていなくてびっくりするんですが、島本理生のデビュー作がけっこう好きです。雨が印象に残る話ですが、夏休みの体験ということで。

微妙に性に悩む女子高生の話。

これに出てくる紺くんというキャラ、めっちゃ私の好みで衝撃でした。なんか高校生なのに難しめの本読んでるんですよね…サーカスの息子〈上〉 (新潮文庫)だったかな?

 

最後の息子

最後の息子 (文春文庫)

最後の息子 (文春文庫)

この表題作『最後の息子』は、読んだけどあまり覚えていないんです…、で、これの3つ目に収録されている『WATER』っていう短編がものすごく!いいんです!!

 

まだ芥川賞を獲る前の、吉田修一の爽やかさが濃縮された短編、長崎が舞台の高校水泳部の話です。これはあんまり有名じゃないかもですが必読です!

爽やかなんだけど爽やかすぎず濃い目の性の話も出てきたりして、でも読後感は「生きててよかった、かもしれない」ってなるくらい視界が明るくなりました!

ほんとに!ほんとにオススメ!!

 

八日目の蝉

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

角田さんは作品が多すぎて、他にも夏っぽいのがあったと思うけど思い出せません…。これは永作博美と井上真央の映画もよかった。

ちなみに私けっこう角田光代が好きで、連作短編では『くまちゃん』全推しです。女性作家で連作短編書きがちなあのへん、くまちゃん読んでから出直してこいよと思っています。あのなんか鳥が飛ぶ人とか。

くまちゃん

くまちゃん

 

 

ここからちょっと怖い系。

夏の災厄

夏の災厄 (文春文庫)

夏の災厄 (文春文庫)

とある夏にとある町で起こるパンデミックものです。篠田節子は筆力があるので、じわーっと怖い。人間について考えだしてしまう描写が満載の問題作です。

アニメ『氷菓』で、ホータローが部活中に読んでいたのが記憶に新しいですね。渋いですね。

 

残穢

残穢

残穢

こちらは『夏の災厄』どころじゃなく涼しくなれる純然たるホラーです。背筋が凍りたい人向け。

がっつり浸るなら屍鬼〈1〉 (新潮文庫)もいいですがあれは長いし、こちらの方が新しいので記憶に残ってます。ドキュメンタリー口調なのがすごく不気味さを煽ってくれて、一昨年の夏、読んでて涼しかったです(笑)

 

異人たちとの夏

 

 

異人たちとの夏 (新潮文庫)

異人たちとの夏 (新潮文庫)

最後に日本文学系を持ってきてみました。ちょっと古めではありますが脚本家として有名な山田太一の小説で、第一回山本周五郎賞を獲った作品です。

 

ファンタジー?ホラー?家族小説?

ちょっと手触りが不思議な感じで、一読でもかなりの印象が残っています。読んだのは学生の頃だったんですが、また読み返したくなってきました。当時は怖かったです。

映画の方が有名みたいですね。面白いのかな?

 

  

あとは有名すぎて挙げませんでしたが、森見登美彦とか道尾秀介あたりも夏っぽいのが多いので、国内エンタメが好きな人は検索してみてください!「夏向け小説」で検索するとだいたい『向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)』出てきますね。あ、『獏の檻』がすごくよかったんですけどあれも夏っぽかった気がしてきました。

貘の檻

貘の檻

  

もっとゆるめなら壁井ユカコとか梨屋アリエとかが、青春な夏をけっこうやってますね。NO CALL NO LIFEは好きだったです。ちょっと青春すぎてうすら寒い感もあるので、色々な意味で夏向けですねー!あのラストで泣けるか寒くなるか、誰かと討論したいです。

 
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