【2016/4/13 追記】
2016年本屋大賞ノミネート10作
2016年本屋大賞ノミネート10作発表!https://t.co/uxJHSSTwDJ#本屋大賞 pic.twitter.com/54TvYAEqma
— 本屋大賞 (@hontai) 2016年1月20日
2016年のノミネート10作が発表されましたねー。(だいぶ前の話ですね!)
今年のノミネート作品は中堅メジャー所が多い感じです。もう売れている本な気がします、が、書店員さんが「売りたい本」に投票するわけだから合ってるとも言う?
「今から売りたい本(まだ売れていない本)」というわけではないのかもしれない。それともこれが大衆化なのか…。
「この人知らない!気になる!」という出会いがないのは少し寂しいです。
(私自身ここ数年は読む本の幅が広がっていないので、私の側の問題ではない確率が高いと思います)
今年の既読は6冊でした。読了時のツイートを振り返りつつ、今の所感を。
(読了ツイートは去年のものばかりなので探しにくく、ツイログからコピペで持ってきます)
インタビューや書評も一緒に貼っていきますので、参考にしてみてください!
既読本まとめ
【読了ツイート・米澤穂信『王とサーカス』読了。2001年のネパール王宮の事件をフィクションにしてジャーナリスト側から。この面白さは説明しがたい…しっかり物を見つつ目線を変えて考えることが大事。あとは人と物事の多面性を知ること。】
※『さよなら妖精』の後日談だという噂を聞いて、『さよなら妖精』を読み返してから挑んだ、けど、特に復習は必要なかったかな…。
『さよなら妖精』でいい味を出していた私の好きな女性キャラ(当時高校生)の、社会人としての仕事を追っています。
でも、これだけでも話は分かりました。作家さんも「前作読んでなくても大丈夫」ってツイートされていました。
米澤穂信 渾身の書き下ろし最新傑作『王とサーカス』好評発売中! - ブクログ
【読了ツイート・住野よる『君の膵臓をたべたい』読了。ラノベ風味の文体で泣かせに来ている…!と警戒していたものの、よかった。よくないこともたくさんあるけど、まあよかった。読み終わると題名が沁みるね。これデビュー作か。】
※ちょいラノベ寄り、病気少女モノです。いや、実は泣いたよね。単純な病気モノじゃない展開があって、それでいて終わり方が無理やり爽やかになっていました。そのあたりが「よくないこと」と「よかったこと」ですね。
主人公二人が途中で福岡に来たのが面白かったです。シーホークかな?ラーメン屋はどこっていう設定なんだろう?
「僕」が見つけたクラスメイトの秘密の日記帳。涙が止まらない感動のデビュー作 『君の膵臓をたべたい』 (住野よる 著)|インタビュー・対談|「別冊文藝春秋」編集部|本の話WEB
【読了ツイート・中村文則『教団X』読了。宗教と原子と性と戦争と政治と…とにかく濃い内容なのに話し言葉ならすっと入ってくる。硬化してはいけないということ。人が変わるのは感情によってのみ。ドストエフスキー。硬化した気持ちよさに代われる思想とは…遺言の内容すごく好きだ。力作!!】
※これ、分厚かったです…!しかしながら読む手が止まらず腕めっちゃ疲れた、みたいなことになりました。
あまりに盛り上がってフォロワーさんに報告してた内容としては「衒学的とも言えるのか…手触りは純文寄りで、台詞は衒学っぽい感じです!物理なところは読み飛ばそうかと思ったけど意外に読めたし、ちょっと世界観変わるショックでしたわ…」「ちょっとこれ、宗教だけじゃなく量子力学とか戦争とかエロとか、アンタッチャブルな話題ばかりですよ…」などなど。
| 世界を肯う、その日々刻々の選択へ 中村文則『教団X』 髙橋敏夫 | 書評 | すばる - 集英社 |
【読了ツイート・深緑野分『戦場のコックたち』読了。戦地の事情を詳しく取材したのかな?濃い。描写細かく日常の謎ミステリしつつ、戦争で人は死んでいくよね…それでいて全編通じて伏線が回収されていく深みがあった。これは良いな。人情味。 】
※こちらものすごく評判がよくて、
・第2位『このミステリーがすごい!2016年版』国内編ベスト10
・第2位「ミステリが読みたい!2016年版」国内篇
・第3位〈週刊文春〉2015年ミステリーベスト10/国内部門、
・第154回直木賞候補
などなど既にだいぶ評価されています。本屋大賞に入るのも納得ですね。
Twitter文学賞でも「国内編 第三位」でした!
ついに本屋大賞でトップを獲るのか?!
主人公の青年は19歳のアメリカ兵コック、舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパ。 繊細な日常の謎系ミステリが、戦場を舞台にして読めるとは驚きでした。
十九歳の夏、僕は戦場に降り立った。新米兵士の過酷な「日常」と、愛おしき仲間たち 『戦場のコックたち』 (深緑野分 著)|インタビュー・対談|「別冊文藝春秋」編集部|本の話WEB
【読了ツイート・宮下奈都『羊と鋼の森』読了。宮下作品ってこんなに良かったっけ?山間部出身の男の子が調律師になる話、静謐な森から粒々の音の世界へ。人物描写がよかったのと、感覚と美しさ。望むものとあきらめること。文章好きだこれ。 】
※文章が綺麗ですごく好きでした。ピアノの調律師を志す青年の成長譚、という感じです。
文章が綺麗な割に登場人物は一筋縄ではいかないというか…それぞれのぶつかりっぷりや主張なんかは、かなり現実味があって辛いところもありつつ、最後にはよくまとまったかな。よくぞまとめてくれた、という感じでした。まとまりすぎて小物感もあるけど、読み込めばその終わり方にも納得できる緻密さがあります。
音楽が好きな人に特におすすめしたい。
『羊と鋼の森』 (宮下奈都 著) | 今週の必読 - 週刊文春WEB
【読了ツイート・又吉直樹『火花』読了。二人の濃い会話はピンとこない点もあったけど、対面で話すことのリアルさ。いちいち面白いのに真面目で悲哀を感じたり。詰め込むことでこちら側に勝手に生まれる咀嚼できなさ。純文学の圧倒的な読書量が背後にあるねぇ。】
※有名すぎて、数人から「きまやちゃん読書するんだよね、『火花』も読んだ?」って半笑いで聞かれました。
でも侮るなかれ、けっこう面白かった。
元から文学好きな人が書いたっていう面が強いので、書いたのが芸人さんだっていうのは意識しなかったです。題材がお笑いなので、そこは仕事のリアリティを持ってきたのかなと思うくらいで。
【動画つき】著者インタビュー 主人公の徳永は、僕とは違う目線を持っている 『火花』 (又吉直樹 著)|インタビュー・対談|「本の話」編集部|本の話WEB
未読本たち
直木賞受賞作、積んでる…。
受賞前から積んでいて、東山さんが受賞してからテレビに出まくっていて(福岡ローカル番組のコメンテーターと化しています)、お腹いっぱい感があって…でも読む!
東山さんは某大学で中国語を教えているらしいです。けっこうイケメンインテリです。
直木賞「流」が20年に1度の傑作と称賛されるわけ↓
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20150826/biz/00m/010/001000c
辻村深月は『盲目的な恋と友情』までは9割ほど読んでいるんですけど、最近の3作読んでいないみたいです。『名前探しの放課後』が好き。
ちょっと飽きた感があったんですが、『朝が来る』は評判がいいなぁ。最近読んだエッセイ『図書室で暮らしたい』が面白かったです!
不妊治療と養子縁組の家族を描く 『朝が来る』で切り拓いた新たな作品世界――辻村深月(1)|作家と90分|瀧井 朝世|本の話WEB
三島由紀夫賞候補になった作品ですね。これは読みたい。 前作、前々作けっこう好きでした。
秋頃に映画になるのかな?
本木雅弘、西川美和監督『永い言い訳』に主演! 深津絵里と21年ぶり共演 | cinemacafe.net
だめだー、中脇初枝『きみはいい子』読んで、よかったんだけど、心臓にズンと来て、辛くて、以降全然読めてない。
トラウマかしら。
戦中、戦後を生きる3人の少女 『世界の果てのこどもたち』 (中脇初枝 著)|インタビュー・対談|「オール讀物」編集部|本の話WEB
順位発表について
本屋大賞の2次投票受付終了しました。投票結果、大賞の発表は4月12日(火)の予定です。お楽しみに! https://t.co/uxJHSSTwDJ #本屋大賞
— 本屋大賞 (@hontai) 2016年2月29日
10作品選ばれた時点でなんかもう満足しがちですが、これから更に順位付けがあります。
順位発表は、4月12日!
だいたい毎年はずれてしまうので、もはや予想を立てていないんですが…読んだ範囲で言うと、『戦場のコックたち』と『教団X』は上位だろうな!
結果について
追記します。はい、上記の予想はことごとく違っていまして、もう作者さんに申し訳なく感じるレベルです。関係ないんだとは分かっていても…。
2016年本屋大賞のすべての順位はこちら。
— 本屋大賞 (@hontai) 2016年4月12日
1位「羊と鋼の森」宮下奈都/文藝春秋
2位「君の膵臓をたべたい」住野よる/双葉社
3位「世界の果てのこどもたち」中脇初枝/講談社
4位「永い言い訳」西川美和/文藝春秋
— 本屋大賞 (@hontai) 2016年4月12日
5位「朝が来る」辻村深月/文藝春秋
6位「王とサーカス」米澤穂信/東京創元社
7位「戦場のコックたち」深緑野分/東京創元社
— 本屋大賞 (@hontai) 2016年4月12日
8位「流」東山彰良/講談社
9位「教団X」中村文則/集英社
10位「火花」又吉直樹/文藝春秋
一位の『羊と鋼の森』については、特設サイトもオープンしたそうです!
特設サイトもオープンしました。
— 文藝春秋プロモーション部 (@bunshun_senden) 2016年4月12日
2016年本屋大賞第1位! 宮下奈都『羊と鋼の森』 調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。|特設サイト|本の話WEB https://t.co/66xxRYxesB #本屋大賞
宮下奈都さんは、他にも『よろこびの歌』が評価が高いようですね(ツイッターでの私のフォロワーさん曰く)。
個人的には『田舎の紳士服店のモデルの妻』が印象深いですが、特に起伏がない物語でもあり…しみじみ系かな。
エッセイ『はじめからその話をすればよかった』も面白かったなぁ。エッセイは4月末に文庫になるそうです。要チェック。
( ↑ こちらがエッセイです)
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