きまやのきまま屋

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初めての海外文学vol.2というフェアがあっているらしいので、11冊選んでみた

Twitterで見かけたフェア「初めての海外文学」

はい、世の中は昨日の「アメトーーク!読書芸人」で盛り上がっているところですが、私はこっちがかなり気になっています!!!

初めての海外文学vol.2

 

 

福岡では、博多駅の丸善で開催されているらしいです。実際のフェアを覗いてみたいと思いつつ、ラインナップは全てネットで知ることができました。

 

このフェア、選書したのが翻訳家の方々っていうのが、いい。

私はそんなに翻訳家さんに詳しくないので、選者のみなさんを知っているわけではないのです…が、有名な方(&私が好きな人)を挙げておきます。

小野正嗣

金原瑞人

岸本佐知子

酒寄進一

柴田元幸

都甲幸治

西崎憲

藤井光

三角和代

…and more!!!

 

ご、豪華すぎるやろ…。これらの方々を含む、総勢50人ほど?

 

 

このフェアの中から、私がオススメしたいものを勝手にピックアップします!ピックアップされたから更にピックアップ。これがもう当たりじゃないはずなかろう?

※趣味による

 

ビギナー篇から

あなたを選んでくれるもの

あなたを選んでくれるもの (新潮クレスト・ブックス)

あなたを選んでくれるもの (新潮クレスト・ブックス)

 

映画監督でもあるミランダ・ジュライの、ノンフィクション本。

映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみることにした。それぞれの「もの」が、ひとりひとりの生活が、訴えかけてきたこととは―。

アメリカの片隅で同じ時代を生きる、ひとりひとりの、忘れがたい輝き。胸を打つインタビュー集。 

ミランダ・ジュライが市井の人の話を聴いていく中で、それぞれが大切にしているモノに触れ捨てるモノを見て、ふりかえって自分の人生&映画について構想を練っていく、不思議なカタルシス。

 

デビュー作の『いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)』も、すごく面白い短編集です。

 

幽霊たち 

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

 

小説家でもある小野正嗣が選んだ、オースター本。

オースターだよ!世界で三番目くらいに好き!

 

私のベストオースター本ではないんだけど(『ムーンパレス』か『リヴァイアサン』か『ブルックリン・フォーリズ』)、確かに『幽霊たち』は読みやすいです。適度なオースターらしさといった感じ。

探偵ブルーが、ホワイトから依頼された、ブラックという男の、奇妙な見張り。探偵小説? 哲学小説? '80年代アメリカ文学の代表作。

あ、探偵モノかな?都会っぽいな?って感じにそっけなく始まるんだけど、そのうちどんどん不穏になっていくのです。 あれ?自分誰だっけ?ってなる。

オースター初期のニューヨーク三部作でいうと真ん中の作品ですが、単品で読んでもサックリ楽しめる一冊。

 

悪童日記

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

 

こちらはもはや古典の域に達している、悪童日記。なんだかんだ訳文が読みやすい、アゴタクリストフのデビュー作。

悪童二人が田舎でサバイバル。けっこうエグいんだけど、庇護者を失った子どもが生き延びるために仕方がないことたち。辛い現実。暗めのラストには慄きつつ、少しだけ爽快感がある、かな。やられっぱなしじゃないから。(でも良くはない)

この後シリーズで『ふたりの証拠』と『第三の嘘』に続きます。

 

 

ペンギンの憂鬱 

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

 

これめっちゃ好きなんだけど、リアルではあんまり知っている人と出会ってなくて寂しい思いをしていました。やっぱり翻訳家のみなさんは知っていらっしゃる!

現代ロシア文学の中では有名な本だと思います。

 

売れない小説家が、憂鬱症のペンギンを飼う話です。ね、これだけで面白そうでしょ。面白いよ。ペンギン飼いたくなるよ。(大変そうだよ)

途中からサスペンス調になって、しかも寒そうで、しかもペンギンが可愛くて、よかったです。 

私は森見登美彦作品でも『ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)』が好きだったりします。ペンギンが出てくる作品(モチーフとしてだけでも)好き。

 

 

未読で気になっているのが、 

歩道橋の魔術師

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

 

Twitterで私が追いかけている本読みの人が、かなり褒めてらした一冊。 

1979年、台北。西門町と台北駅の間、幹線道路にそって壁のように立ち並ぶ「中華商場」。物売りが立つ商場の歩道橋には、子供たちに不思議なマジックを披露する「魔術師」がいた――。現代台湾文学を牽引し、国外での評価も高まりつつある、今もっとも旬な若手による連作短篇集。

 

 卵をめぐる祖父の冒険

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

 

あ、文庫になってる?こちらも評判がよくて気になっています。

ただ、図書館で少し読んだけど、戦時中の話でピンとこなかったんです。卵をどうやって集めてくるのか気になりはする。 

 

ちょっと背伸び篇から

ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹 

ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹

 

藤井光がこれを選んでるー!

私はこれは映画『ヴァージン・スーサイズ』から入りました。で、原作を読んでみたら原作がとても濃かったという。映画は雰囲気重視みたいなところがあるので、描ききれていない事情がたくさんありました。

映像と音楽を楽しみたいなら映画(音楽がいい)、しっかり浸りたいなら本、という感じです。 

 

紙の動物園

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

表題作で泣く。

短編集で、ものによってはかなりSF入っててかなりぶっ飛んでいます。

ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞受賞という史上初の3冠に輝いた表題作ほか、地球へと小惑星が迫り来る日々を宇宙船の日本人乗組員が穏やかに回顧するヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、中国の片隅の村で出会った妖狐の娘と妖怪退治師の「ぼく」との触れあいを描く「良い狩りを」など、怜悧な知性と優しい眼差しが交差する全15篇を収録

私は『円弧』、『心智五行』、『文字占い師』、『結縄』が好きでした。一つ一つが変な話なので、とっつきやすい短篇集です。 でも「変すぎて」ついていけない恐れもある…だから背伸び篇なのかな。

 

ロリータ

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

 

こちらも映画のイメージが強いけど、本での乾いた細かな視線もなかなか。

高校生の時に読んでびっくりしました。どういう年代で読むのかによって感触が違いそうです。

「ロリータ・コンプレックス」という言葉を産んだ本。

世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。 

 

 

気になっている未読本が、

はるかな星

はるかな星 (ボラーニョ・コレクション)

はるかな星 (ボラーニョ・コレクション)

 

都甲先生が選んでいる、ロベルト・ボラーニョ。名前は知っているぞ!という作家さん、大御所ですね。

 

コドモノセカイ 

コドモノセカイ

コドモノセカイ

 

小説家のイメージが強いけど翻訳家でもある西崎憲が選んでいる、岸本佐知子本!岸本さんが選びつつ訳した短編集の1つかな?『変愛小説集 (講談社文庫)』みたいな?

 

岸本さんの圧倒的な言語センスを信じているので、これは絶対に面白いと思います。タイトルの通り、子どもが主人公の短編が集められているようです。 

 

 

今回のフェアのラインナップは、こちらで確認できます。

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【追記】

公式Twitterアカウントにこの記事が届いて、非常に喜んでいただけました!

 

 

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