きまやのきまま屋

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保護猫の預かりボランティアもどき日記その3

 猫

photo by Billy Wilson Photography 

 

第二匹目・ツムツム(仮名)

前回のラストで少し書いた、きゅんきゅんエピソードの持ち主、ツムツム。
どういうエピソードかというと、まず一見して目立つ、耳の毛がほとんど禿げてしまっているその理由。
猫ボランティアさん(前回までのBさん)は、皮膚病を心配して病院に連れていったそうです。
子連れで保護されたツムツムなので、幼猫がよくかかる真菌を疑って。
体調が悪いと、成猫でも発症するので。
 
 
けれどお医者さんの診断は、「栄養不足!」とのことでした。
子ども達を育てるために、自分の栄養を犠牲にしてミルクを出していたんですね(;_;)
 
※人間が野良猫を勝手に避妊・去勢してしまうTNR活動が批判されることもありますが、生後半年未満から発情期が始まり妊娠してしまう雌猫にとって、半年に一度のペースで出産・育児を繰り返すのは体に負担が大きすぎるという点で、私は賛成したいなーと思っています。

栄養不足の理由

それでも保護して数週間、子ども達には離乳食を与えているのでもうツムツムの負担は減っているはず…。
 
だから保護部屋での様子をよくよく観察してみると…ツムツム、自分の子どもはもちろんのこと、自分より若い猫にご飯を譲りまくっていることが判明。
更には大きな雄猫が怖いらしく、成猫だけになってもご飯にほとんどありつけていないようでした…。
そりゃ、毛が生えるはずがないです。食べれてないんだもの。
 
だから一匹だけ隔離してご飯をちゃんと食べさせてあげたい、それが猫ボランティアさんが私にツムツムの預かりを頼みたい理由でした。
 
そんな健気な話を聞いてしまっては、断れるはずがありません(;_;) 

預かり中の様子

一匹だけになる状態が経験なかったのか、ツムツムはかなりビビりなことが判明。
あらゆる隙間を見つけて隠れまくりなので、極力そっとしておきました。うちにはケージがないので、本人に負担が大きいかもなーと反省。
 
最初の数日間は私が近くを通る時には名前を呼ぶ、いわゆる「声かけ」の接触のみでした。
けれど夜になって電気を消すと、私にそっと近づいて来て、ゴロゴロ言って甘えて、少ししたら戻っていく感じ。
テレビの音を怖がるけど、テレビから猫の声がしたら喜んでいるようでした。
 
 
慣れてくると次第に、朝と晩のご飯の時間にはゴロゴロ言って寄ってくるように。
ただ、これは私にだけ…、フードを出しても他の人が同じ部屋にいると食べないことが多かったので、途中から私の自室のみで面倒見ていました。
(保護宅の旦那さまは、抱っこなどしないものの普通に接していたらしい)
 
 
ご飯は食いつきのいいウェットが主食。
 
また、子どもを何度も産んだと信じられないほど小さな体なので顎が小さく、粒が大きめのロイヤルカナンインドアは苦手なことが発覚!
もしかしたら、他の猫に譲っていたのはそのせいかもしれない、とボランティアさんに報告しておきました。

噛みやすいシーバは大好きなようで、摂取カロリーを増やすためにデザートにあげていました。慣れてくると、ご飯の後はスリスリタイム!

 
私の足の間に挟まり、数時間はスリスリ、ウトウト…。
本当は甘えたいんだね…。

苦労したこと

食への関心が薄いので、一日の摂取カロリーを増やすのが大変でした。
朝は小粒のフードに変え、シーバを毎日あげて、夜はウェットフードにすると、数週間後にはやっと完食してくれるように。
少ししか食べられない時期が長すぎて、胃のサイズが小さくなっていたのかもしれないです。
しかも、ずっと見守ってないと食べないという甘えっぷり(笑)
 
完食するようになると、耳の毛はゆっくりと生えてきました。
これはやっぱり、保護部屋ではできないケアだったと思います。

1カ月でお返し

めちゃめちゃ可愛い子だったのでうちで引き取っても良かったんですが(預かりボランティアの特権!)、どうしても同居人に馴れてくれなかった上に、私の狭い自室にトイレから餌場まであると私が満足に暮らせないので泣く泣く諦め、耳の毛が生え揃い体重が1キロ増えたくらいで保護部屋に戻しました。
 
 
戻ってからの様子は、以前とは全然違っていたそうです。
以前は遠慮しいでどちらかというと端っこの方にいたのに、一日で雌猫のトップに躍り出たようでした(笑)
 
「帰宅早々、猫タワーのトップ取って寝てるわ(笑)」とボランティアさんから報告を受け、これだけ強くなれたなら猫が多い環境が心地いいかもしれないねー、という話になり。
 
うちでは隠れていることが多かったので人と一日中一緒にいるのは嫌みたいで、テレビみたいに音が出る機械は苦手、だからツムツムの里親さんは「留守が多い人」もしくは「多頭飼い」を優先しよう、との結論に。
 
 
うちでたっぷり好きなご飯をもらい、一日に数時間だけでもべたべたに甘えさせてあげたことが、愛された自信に繋がったのであればいいな…と思います。
(あまりに膝から降りないので、ツムツム座らせたまま何冊も読破したくらいです)

後日談

私がツムツムを預かっていたのは、夏の暑い盛りでした。
それから紆余曲折あり、先にツムツムの息子に里親さんが決まったりしながら、10月にはツムツムも良い里親さんに出会えてめでたく正式譲渡されていきました!
 
譲渡先は、二匹の先住猫がいて友好的で。人間たちは共働きで留守が多いという…ツムツム的に理想じゃない?
 
でもこの理想像を見つけたのは私、ということで、猫ボランティアさんからは大変褒めていただきました。
(理想の家族を見つけ出すボランティアさんの方がすごいんですけどね!)
 
まあ、こうやって褒めておだてて「さあ次いってみよー!」というノリなのが、やっぱり保護部屋のキャパが足りていない現れでもあって。
間髪を入れずにまた次の猫が来るわけですが、その子についてははまた次の機会に。
 
 
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