- 白岩玄は、一発屋じゃないんだぞ
- 『空に唄う』
- 『愛について』
- 『未婚30』
- ヒーロー!
- 世界のすべてのさよなら
- たてがみを捨てたライオンたち
- 子育てエッセイ『ミルクとコロナ』
- 新作『プリテンド・ファーザー』
2023/02 更新
白岩玄は、一発屋じゃないんだぞ
白岩玄が『野ブタ。をプロデュース』だけの一発屋な作家だと思われているっぽい現状に不満いっぱいのきまやです!
※この記事は全体的に、全て個人の感想です!
面白かったけども。
そして更に、新作が学園モノだというだけで、改めて注目が集まっていることにもなんだかモヤります。
これとか。
これも。
『野ブタ。をプロデュース』から11年。『野ブタ。』を超える痛快学園小説『ヒーロー!』が絶賛発売中の白岩玄さんが、「王様のブランチ」(TBSテレビ/3月26日9時30分〜放送予定)のBOOKコーナーに登場します! お見逃しなく!!https://t.co/v2GV0xdHsb
— 河出書房新社 文藝🍡春季号発売中🎉創刊90周年❣️ (@Kawade_bungei) 2016年3月24日
「野ブタ」の次は~とか、『野ブタ。をプロデュース』から11年~とか書かれたら、なんだかその間あんまり活躍していなかったように聞こえないですか?その間の作品は全無視ですか?
「一発屋がよみがえってきた!」みたいなニュアンスが伝わってこないですか?私だけ?
私は、白岩玄を、信じていたよ!
朝井リョウが出てきた時にも「頑張れ白岩玄!負けるな白岩玄!」って思ってた!!
ということで、今までの白岩玄作品を全部読んでいる私の見解を紹介しておこうと思います。
『空に唄う』
『空に唄う』を読んだ時点ではツイッターをしていなかったので、感想メモがありません><
けれど『空に唄う』が一番好きかも。これを読んで「一生ついていきます!」って思ったんです私は。
『野ブタ~』の印象が強かった作家さんなので、主人公が新米僧侶っていう設定が新鮮に感じました。え、幽霊でてくるの?みたいな。
そして最後はけっこう放り投げている印象なので、そっかーそういう作風なのねって思いました。『野ブタ~』の終わり方は、逃げではなかった。
※朝井リョウとか連作短編集はやりの流れにかこつけて、白岩玄について言及していました。
<その手の本には「これは繊細系連作短編集です」の表示をつけてほしい(^_^;) 朝井リョウ自体はけっこう好きだ。白岩玄はどうなる。(2012年01月13日(金))>
『愛について』
「普通」の人を描くと光る白岩玄。それに加えてSFだって書けちゃうんだぞ。
【読了ツイート】
<白岩玄『愛について』読了。短編集。『空に唄う』以降ずっと待ってたぞ玄くん。ゆるい雰囲気なれど、ほんとに愛について色々考えたんだなぁ、という印象。ちょっとSF入ったりしながら、どこにでもいそうな人たちがそれぞれ生きてるんだなぁと…。ありがちな感想しかないけど不愉快ではなくて嬉しい。
『未婚30』
女性はこれがおすすめ。悩む女たちに、華麗な切り口でアドバイスをくれる周辺人物たち。
【読了ツイート】
<白岩玄『未婚30』読了。結婚するまでと離婚してからの話が中編と短編。中身は女性寄りだけど、状況に関して目線を変えた他者からのアドバイスが光る。客観視してくれる周辺人物が大事で、そこから自分のことは自分で考えよう。>
ヒーロー!
いじめをなくすために大仏ショーをするヒーロー志願男子と、それを演出する女子。
男子のキャラが良かったです。
学園ものだけどエグいカーストものじゃなくて安心しつつ、冷めた目線を入れてひっくり返すには、ほんの少しだけ消化不良感が……。
文庫になりました!
世界のすべてのさよなら
学生時代からの仲良し四人組の群像劇。繊細系、白岩玄の真骨頂な感じです。
人にはそれぞれ色々あるんだよ…ということや、関係や繋がり方は自然に変わっていくことを丁寧に。うまいなぁ。ラストちょっとうるっと来ます。
これでちょっと突き抜けたかもしれんね、白岩玄!
たてがみを捨てたライオンたち
フィクションの最新作はこちら。
3人の男性が登場しますが、連作というほどに繋がりは強くないし短編集でもない、不思議な仕組み。それでいて一気読みでした。
どの男性に感情移入ができるわけでも、とりたてて大きな事件が起こるわけでもないのに、するすると読めて心に残る。
繊細系、と言ってしまうと乱暴かもしれませんが、こっち系統の作家さんでは本当に頭1つ抜きん出た印象があります、白岩玄。
生きづらさと働くことの意義、みたいな話は得意かもしれませんね。また違う側面から書いてほしい!
文庫になりました!解説は武田砂鉄さん。
全部読んでいるとか言っておきながらあまり冊数がありません。寡作かよ白岩玄!でも好きだから!
あと、宣伝会議がエッセイ?出しているのを知りませんでした。不覚。買います。
あと、読書家芸人として有名な若林さんの対談まとめ本『ご本、出しときますね?』にも白岩玄が出ていましたよ。元気そうで安心しました!
- 作者: BSジャパン,若林正恭,西加奈子,朝井リョウ,長嶋有,加藤千恵,村田沙耶香,平野啓一郎,山崎ナオコーラ,佐藤友哉,島本理生,藤沢周,羽田圭介,海猫沢めろん,白岩玄,中村航,中村文則,窪美澄,柴崎友香,角田光代,尾崎世界観,光浦靖子,佐久間宣行
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2017/04/25
- メディア: 単行本
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子育てエッセイ『ミルクとコロナ』
山崎ナオコーラさんと四年に渡って続けてきた育児エッセイ「ミルクとコロナ」が本になりました。それぞれが出した子育てにかんするテーマについてやりとりをしてきたのですが、父親、母親、子どもがいるいないに関係なく、大人は子どもに対して何ができるのかを考え続けたエッセイになったと思います。 pic.twitter.com/9LhMCQsTMA
— 白岩玄 (@gegenno_gen) 2021年10月27日
新作『プリテンド・ファーザー』
2022年10月末に、新作出ました!
シングルファザーのお話っぽいです。
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