きまやのきまま屋

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オリジナリティがすべてか???

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2023年の私を支えてくれた奇妙礼太郎さんが、年男ということで、47都道府県+1の日本横断ツアーをしている、2024年。

kimyoreitaro.com

福岡はありがたいことに二箇所。糸島と大名。

 

大名ROOMSのチケットが無事に取れたので、ものすごく久しぶりに天神に行った。ライブそのものは多分、2019年のsyrup16g以来ではなかろうか。

syrup16g、5都市巡るコンセプトツアー「【SCAM : SPAM】」開催 - 音楽ナタリー

 

で、私は正直なところ奇妙さんはバンドセットが好きだし、

kimaya.hatenablog.com

(she her her hersのドラマーが良い!!!)

 

基本的にバンド音が好きな私は、ROOMSでの弾き語りはそんなに好みではないだろうなって最初から思っては、いた。

とはいえ着席だし、声がすごく好きだし、以前にもそう思いつつ行った小山田壮平くんの弾き語り@イムズホールはすごくよかったので、そんなに期待しすぎずコロナ禍で遠ざかっていた音楽ライブ復帰第一弾として奇妙さんを見に行こう、と思って行ってきました。

 

話は飛ぶけれど、私は、人間の価値は思考の深さとオリジナリティだと思っている。オリジナリティがないことは遠回しに死に近いと思っている。見聞きした現象に左右されるのは仕方がないとはいえ、その経験から導き出せる何らかの個性を持っていないと、人は、厳しい。(ちょっとずつでいいし、変わっていっていい)

 

けれど奇妙さんの弾き語りライブは、半分くらいが、彼が好きな曲をカバーするのだ。

それはインスタライブやTwitterのセトリを見て知っていたので、やっぱりそうだったな~と思うし、今回は映画タイアップ曲の発売間近なのでなんならオリジナル曲がいつもより1曲多かった、くらいのものなんだろうけれど。

あたしは貴方の曲が聴きたいのよ!!!とは、ライブ中に3回くらいは思った。思ってしまった。正直なところ早瀬さん作でもいい。奇妙さんが本家な曲を、もっとたくさん聴きたかった。

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オリジナルをそんなに重要視しないって、どういう感じなんだろうなぁと考える。

けれど奇妙さんに「愛の賛歌」や「スイート・メモリーズ」を朗々と歌われたら、これはもう伝統芸能の域なのか…?という気持ちにもなる。

それはそれでとてもうまいし、雷みたいな声量で、脳に響いてくる伸びやかな声で、とてもよかったのだ。他の人には決してできない芸当でも、あるんだけど。

見るの初めてだからなぁ、周年記念の配信のセトリがよかったので期待大きくなりすぎたのかも。

 

ちなみに私が高校生の頃から好きな浅井健一さんは、「バンドは解散したけど、俺が歌わなかったらもう二度と歌われない曲があるのは残念。こんなにいい曲なのに」と言ってブランキー時代の曲をよく歌うし、他のドラマーやベーシストに軽々しく弾かせる。(というのもTwitterで見かけただけで、自分は観たことはないし、ちょっと怖くもある)

 

ところで、Twitterで(Twitterを見すぎているね)「笑いっていうのはタイミングなので、おもしろいことを言うかどうかより、いいタイミングで運べればちゃんと笑いって起こるんだよね。落語でも、真打と前座では、同じこと喋ってるけど間合いがぜんぜん違うもの」という言説を見た。

内容は重視されず、タイミング重視なのか…それもまた一理ある、と思う。

 

こういうふうにドツボにハマってしまった。

なんで奇妙さんはオリジナル曲をあまり歌わないんだろう、

なんで人は、個別のオリジナリティよりも、「普通は」とか「一般的には」とか言ってベタな方を尺度にするんだろう、

 

これらすべて、伝統芸能???

え、産業革命のせい?

 

たぶん奇妙さんはそういうポリシーで、他にいい曲があるから好きな曲を歌うだけだと思うし、ずっと前からそういう選曲なのでカバーアルバムだって出しているし、過去曲を良い声で発掘する試みもいいとは思う、私が好みではないだけ。not for me。でも聴いたりはする、嫌いでもない。

 

え、でもじゃあ私って、オリジナリティを重視、しすぎ…なの?

オリジナリティ以外に、私たちが依って立つものが、あるの?

 

オリジナリティと「固有の面白さ」は似ていると思っているので、森博嗣を読み返す。

当たり前のことだが、評判の良いものは売れている、つまり「面白い」ものだ、と勘違いする人が多数いるはずである。

 

自分以外の人の意見を聞く、という姿勢は大事ではあるけれど、それは自分が何を求めているかによる。大勢が好むものを求めているのなら、参考にすれば良いし、多く売れているものが欲しいのなら、むしろ世間の評判の逆を選択した方が確率が高い、という場合だってあるということ。

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ということをぐるぐると考えている44歳の誕生日、快晴で気分がよくて、午後からはおばあちゃんに会いに行ってきます。

 

 

※実在のアーティストのセトリについて文句を言ってしまってごめんなさい。バンドセットかつレコ初のLiveにも行きたい〜

 

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