きまやのきまま屋

日常、本、映画、写真のこと。趣味人のきまやがきままに書いてます。ライター兼ブロガー。

彩瀬まるオススメ。全作品をご紹介&解説してみる

彩瀬まるを激推しします

オススメの作家は?と訊かれると「彩瀬まる」と答えがちな、ここ数年のきまやです(相手によるので、舞城王太郎を推したりします)。

数年以内に芥川賞を獲るはずなので応援しています!直木賞だったり十年後だったりするかもしれないけど。

 

この記事は、彩瀬まるの全作品を紹介する試みです。なぜかというと好きだから!

すでにレビュー(書評)を書いている作品には、記事のリンクを貼っています。ぜひ個別記事もチェックしてくださいね^^ 

花に眩む

デビュー作。新潮社が主催する文学賞、『女による女のためのR-18文学賞』で読者賞を受賞した作品。

(ちなみに、前年に窪美澄が『ふがいない僕は空を見た』でトップ獲ってる賞です、新人賞としてはダントツ面白いです。女による女のためのR-18文学賞 | 受賞作品 | 新潮社

花に眩む

花に眩む

 

あのひとは蜘蛛を潰せない

彩瀬まるがこの本で登場した時の、ネット上の本好きたちの動揺を忘れない。

あと、単行本の表紙の微妙なダサさも忘れない。

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(↑これは文庫)

文庫の帯は、椎名林檎が書いていました。分かる。

林檎曰く、『この作品は、体だけ歪に成人した我々のための手引き書である。』。
 

28歳実家住み女性が母親の呪縛から逃れたいような、でも母親がかわいそうで…とかいう葛藤に共感してしまう自分がいながら、じわじわと忍び寄る恐怖。

「うまく言えない」ということを本当にうまく言えてなくて、すごい。文章の力を感じます。

あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫)

あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫)

骨を彩る

連作短編集。「なにかが足りない」と不安を抱える老若男女がそれぞれ惑う話たちが5つ。中学生の女の子と社会人が交錯する世の中。

夫婦の愛情、女同士の友情、がテーマのものが多いかと思います。が、青年期の男性に突き刺さりそうな『ハライソ』はちょっと異色ながらとても良い。 

骨を彩る (幻冬舎文庫)

骨を彩る (幻冬舎文庫)

 

レビューを書いています! 

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神様のケーキを頬ばるまで

お仕事小説の連作短編集、『神様のケーキを頬ばるまで』。

仕事がうまくいっていない人に読んでほしい。そしてDV被害の描写が冷や汗ものです。ひぃ。

一冊を通じて、とある映画監督さん(画家からの転身)のことを追ってもいるので、構造が面白いです。

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神様のケーキを頬ばるまで (光文社文庫)

神様のケーキを頬ばるまで (光文社文庫)

こちらも、単行本と文庫で表紙がガラッと変わっていますね。

単行本はこれ(↓)でした。これもいい、好き。

神様のケーキを頬ばるまで

神様のケーキを頬ばるまで

 

優しい人になりたい。暗いものやみすぼらしいものに目をつむるのではなく、それを見たまま、それでもそっと光る人に、今度こそなりたい。

「泥雪」p55 『神様のケーキを頬ばるまで』 

「泥雪」のここの、中学生の息子との数ページ、とても息が詰まる、すごくいい。 

桜の下で待っている 

新幹線に乗って故郷に帰る人々にまつわる連作短編集。テーマを言うなら「家族」だろうか。

宮沢賢治が出てくる話が好きです。 

桜の下で待っている (実業之日本社文庫)

桜の下で待っている (実業之日本社文庫)

 

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やがて海へと届く

設定がちょっと突飛なのが、『やがて海へと届く』。身近で愛する存在を亡くしたことがある人に沁みると思います。震災の話。でも震災だけの話ではなく。

「普通のこと」ができなくなるんだよね。そうやって彷徨うしかない時ってある。

 

けれどこの描写の美しさによって救われる思いが、必ずどこかにあると思います。 

やがて海へと届く

やがて海へと届く

 

2019年2月に文庫化されました!

やがて海へと届く (講談社文庫)

やがて海へと届く (講談社文庫)

 

朝が来るまでそばにいる

短編集。テーマは「生きられないのに死ねないしどうしよう!?」だと思いました…。

幻想文学です。人間ではないものが出てきたり、変な展開だったり、少し怖いかもしれない。ホラー入っててびっくりしました。こっち系統に進んでほしくない…と少し思ったりします。

でも、執着……そして再生!という感じで、意外と前向きに読み終えられました。 

朝が来るまでそばにいる

朝が来るまでそばにいる

眠れない夜は体を脱いで

このタイトル、すごく良くないですか?私、2018年のTwitter文学賞はこれに投票しました。

華麗につなげる系の連作短編集です。あいかわらずつなげる天才でした。で、内容もね、これまたとても良くて、

主人公たちは、みんな小さくはっきりと生きにくそうなのに、それでも何処かに行ける気がしてきてしまう。

眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

くちなし

第158回直木賞候補作。

連作短編集。『朝が来るまでそばにいる』の、幻想文学の流れに半分くらい乗りつつ、「ちょっと日常からハズれた」感を出すエッセンスとして活用されている、異世界。これくらいならホラーにも妄想にもならず、ちょうどいい塩梅かも。好き!直木賞は獲りませんでしたが。

くちなし

くちなし

 

不在

長編を待っていた! 

不在

不在

 

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珠玉

主人公・真珠。っていう名前の女の子とかじゃなくて、あの、貝の中に入っているやつです。

そんなに好きじゃないかもーと思いつつ読んでて(すみません!)、ラスト近く真珠の献身で刺されました。真珠がこんなに献身的なの…。

世の中は、できそこない、だらけだ。

それでいいんだ。

 

ちょっとヤングアダルト風味も感じたので、表紙もっと違う感じがよかったのでは?紙の手触りすごくいいんですけども。図書館員さん方、そっとYAの棚に置いてみてください。 

珠玉

珠玉

なんでも出来るすごい人とかでなく、あなたに会ったことで私の人生が始まったの。

『珠玉』p204

森があふれる

文芸 2019年 02 月号 [雑誌]

文芸 2019年 02 月号 [雑誌]

 

まだ本になっていない新作『森があふれる』は、こちらの文藝に掲載されています。

読みたい!!!

アンソロジー

アンソロジーとは、短編集という意味。ここでは、数人の作家さんが同じテーマで短編を書いて、一冊にまとめられた本のことを指します。

彩瀬まるは、アンソロジーにもたくさん載っているんですよ!(全部は読めていないので、収録されている短編のタイトルが分かっていないアンソロジーもいくつか…。タイトルを調べたら書いていきます!)

 

 

「二十三センチの祝福」という短編が収録されているのが、文芸あねもね。

短編なのに構成が素晴らしく、華麗に立ち直れます。

文芸あねもね (新潮文庫)

文芸あねもね (新潮文庫)

 

3.11の後、「今、自分たちにできること」をしようとペンを執った10人の女性作家たち。そして2011年7月、その想いは全額寄付を目的としたチャリティ同人誌へと結実した。電子書籍から生まれた、再生への希望きらめく小説集、待望の文庫化。  

 

女子高生アンソロジー『あのころの、』 には「傘下の花」。 

あのころの、 (実業之日本社文庫)

あのころの、 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 窪美澄,瀧羽麻子,吉野万理子,加藤千恵,彩瀬まる,柚木麻子
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2012/04/05
  • メディア: 文庫
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「伊藤米店」が載っているのは、

([ん]1-4)明日町こんぺいとう商店街 (ポプラ文庫)

([ん]1-4)明日町こんぺいとう商店街 (ポプラ文庫)

 

 

恋愛アンソロジー『運命の人はどこですか?』には、「かなしい食べもの」。瀬尾まい子と西加奈子もよかったです!  

運命の人はどこですか? (恋愛小説アンソロジー) (祥伝社文庫)

運命の人はどこですか? (恋愛小説アンソロジー) (祥伝社文庫)

 

 

恋愛官能小説アンソロジー『きみのために棘を生やすの』 。収録作品は「かわいいごっこ」。

本を見つけられなかったのでKindleで買いました。千早茜もいいぞ。

きみのために棘を生やすの

きみのために棘を生やすの

同じメンバーで、同シリーズ?略奪愛がテーマだそうです、読みたい!

偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)

偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)

 

ここから先はどうするの: 禁断のエロス (新潮文庫)

ここから先はどうするの: 禁断のエロス (新潮文庫)

 

 

 

ほんのきもち

ほんのきもち

  • 作者: 朝吹真理子,彩瀬まる,いしいしんじ,乾ルカ,オカヤイヅミ,甲斐みのり,鹿子裕文,木皿泉,今日マチ子,小林エリカ,坂木司,桜木紫乃,佐藤ジュンコ,平松洋子,藤野可織,文月悠光
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2018/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『きみは嘘つき』には、寺地はるなさんの短編も。

きみは嘘つき (ハルキ文庫)

きみは嘘つき (ハルキ文庫)

  • 作者: 彩瀬まる・加藤千恵・寺地はるな・中澤日菜子・額賀澪・椰月美智子
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2017/08/09
  • メディア: 文庫
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密室ミステリアンソロジー『鍵のかかった部屋』には「神秘の彼女」。島田荘司がいますね…!

鍵のかかった部屋 5つの密室 (新潮文庫nex)

鍵のかかった部屋 5つの密室 (新潮文庫nex)

 

 

ノンフィクション

『やがて海へと届く』の原体験になったのは、やはり彩瀬まる自身の被災経験からなのでしょう。

震災に偶然居合わせた作家のルポルタージュ。彩瀬まるの作家人生が変わる瞬間が描かれています。

そして九州にいた私は知らないことばかりで、勉強になる一冊でもあります。 

暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出

暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出

 

 

新作が出たら追記していきます!

 

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