(2024/05 更新)
- 彩瀬まるを激推しします
- 花に眩む
- あのひとは蜘蛛を潰せない
- 骨を彩る
- 神様のケーキを頬ばるまで
- 桜の下で待っている
- やがて海へと届く
- 朝が来るまでそばにいる
- 眠れない夜は体を脱いで
- くちなし
- 不在
- 珠玉
- 森があふれる
- さいはての家
- まだ温かい鍋を抱いておやすみ
- 草原のサーカス(長編)
- 雑誌掲載の新作 短編
- 川のほとりで羽化するぼくら (中編4作)
- 『新しい星』(連作短編)
- かんむり(長編)
- 花に埋もれる
- なんどでも生まれる
- 作詞
彩瀬まるを激推しします
オススメの作家は?と訊かれると「彩瀬まる」と答えがちな、ここ数年のきまやです(相手によるので、舞城王太郎を推したりします)。
数年以内に芥川賞を獲るはずなので応援しています!直木賞だったり十年後だったりするかもしれないけど。
この記事は、彩瀬まるの全作品を紹介する試みです。なぜかというと好きだから!
すでにレビュー(書評)を書いている作品には、記事のリンクを貼っています。ぜひ個別記事もチェックしてくださいね^^
時系列ではなくオススメ順が知りたい!という人はこちら→
花に眩む
デビュー作。新潮社が主催する文学賞、『女による女のためのR-18文学賞』で読者賞を受賞した作品。
(ちなみに、前年に窪美澄が『ふがいない僕は空を見た』でトップ獲ってる賞です、新人賞としてはダントツ面白いです。女による女のためのR-18文学賞 | 受賞作品 | 新潮社)
元祖・幻想系・花ネタ。
2023年の新刊に収録されました!手に入りやすくなりましたね~。
あのひとは蜘蛛を潰せない
彩瀬まるがこの本で登場した時の、ネット上の本好きたちの動揺を忘れない。
あと、単行本の表紙の微妙なダサさも忘れない。
(↑これは文庫)
文庫の帯は、椎名林檎が書いていました。分かる。
林檎曰く、『この作品は、体だけ歪に成人した我々のための手引き書である。』。
28歳実家住み女性が母親の呪縛から逃れたいような、でも母親がかわいそうで…とかいう葛藤に共感してしまう自分がいながら、じわじわと忍び寄る恐怖。
「うまく言えない」ということを本当にうまく言えてなくて、すごい。文章の力を感じます。
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/08/28
- メディア: 文庫
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骨を彩る
連作短編集。「なにかが足りない」と不安を抱える老若男女がそれぞれ惑う話たちが5つ。中学生の女の子と社会人が交錯する世の中。
夫婦の愛情、女同士の友情、がテーマのものが多いかと思います。が、青年期の男性に突き刺さりそうな『ハライソ』はちょっと異色ながらとても良い。
書評を書いています!
神様のケーキを頬ばるまで
お仕事小説の連作短編集、『神様のケーキを頬ばるまで』。
- 泥雪
- 七番目の神様
- 龍を見送る
- 光る背中
- 塔は崩れ、食事は止まず
表題作がないタイプですね。文庫の解説は柚木麻子さん。
こちらは、仕事がうまくいっていない人に読んでほしい。そしてDV被害の描写が冷や汗ものです。ひぃ。
一冊を通じて、とある映画監督さん(画家からの転身)のことを追ってもいるので、構造が面白いです。
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/10/12
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
こちらも、単行本と文庫で表紙がガラッと変わっていますね。
単行本はこれ(↓)でした。これもいい、好き。
優しい人になりたい。暗いものやみすぼらしいものに目をつむるのではなく、それを見たまま、それでもそっと光る人に、今度こそなりたい。
「泥雪」p55 『神様のケーキを頬ばるまで』
「泥雪」のここの、中学生の息子との数ページ、とても息が詰まる、すごくいい。
桜の下で待っている
新幹線に乗って故郷に帰る人々にまつわる連作短編集。テーマを言うなら「家族」だろうか。
宮沢賢治が出てくる話が好きです。
レビューを書いています!
やがて海へと届く
設定がちょっと突飛なのが、長編『やがて海へと届く』。身近で愛する存在を亡くしたことがある人に沁みると思います。震災の話。でも震災だけの話ではなく。
「普通のこと」ができなくなるんだよね。そうやって彷徨うしかない時ってある。
けれどこの描写の美しさによって救われる思いが、必ずどこかにあると思います。
2019年2月に文庫化されました!
私が、他でもない私が、この瞬間も私の中で明滅するものを信じずに真っ暗だと嘆くなんて、そんな馬鹿な話があってたまるものか!P175
映画化です!!!
【映画化のお知らせ】
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2021年10月21日
2022年春、『やがて海へと届く』が映画化されます。
主演は岸井ゆきのさん(湖谷真奈役)。
浜辺美波さん(卯木すみれ役)出演です。
監督は中川龍太郎さん。
なにも持たない二人が連れ立って、光のなかで暮らしていました。https://t.co/dyaCs2okXp
朝が来るまでそばにいる
短編集。テーマは「生きられないのに死ねないしどうしよう!?」だと思いました…。
- 君の心臓をいだくまで
- ゆびのいと
- 眼が開くとき
- よるのふち
- 明滅
- かいぶつの名前
幻想文学です。人間ではないものが出てきたり、変な展開だったり、少し怖いかもしれない。ホラー入っててびっくりしました。こっち系統に進んでほしくない…と少し思ったりします。
でも、執着……そして再生!という感じで、意外と前向きに読み終えられました。
会えて嬉しかったなあって繰り返しながら、私という存在の認識が終わるまで、暗闇の底で光って遊ぶ。それを、この世のどんなものにも侵させない P198
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/09/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
眠れない夜は体を脱いで
このタイトル、すごく良くないですか?私、2018年のTwitter文学賞はこれに投票しました。
- 小鳥の爪先
- あざが薄れるころ
- マリアを愛する
- 鮮やかな熱病
- 真夜中のストーリー
華麗につなげる系の連作短編集です。あいかわらずつなげる天才でした。で、内容もね、これまたとても良くて、
主人公たちは、みんな小さくはっきりと生きにくそうなのに、それでも何処かに行ける気がしてきてしまう。
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/02/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
文庫になりました!(kindleもあります)
くちなし
第158回直木賞候補作。
連作短編集。『朝が来るまでそばにいる』の、幻想文学の流れに半分くらい乗りつつ、「ちょっと日常からハズれた」感を出すエッセンスとして活用されている、異世界。これくらいならホラーにも妄想にもならず、ちょうどいい塩梅かも。好き!
直木賞は獲りませんでしたが、高校生直木賞を受賞しました!
高校生直木賞 参加25校の代表生徒たちの声(3) 第5回 高校生直木賞全国大会 | 高校生直木賞 - 文藝春秋BOOKS
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/10/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
※2020年4月に文庫になりました!
- くちなし
- 花虫
- 愛のスカート
- けだものたち
- 薄布
- 茄子とゴーヤ
- 山の同窓会
書評を書きました!
全部はまとめられなかったので、『愛のスカート』という短編のことを。
不在
長編を待っていた!
書評を書いています!
彩瀬さんご本人にもウケました、この書評!
『不在』の記事を拝読して、ハイタッチしたい気持ちになりました!これからもお楽しみ頂ける本を作っていけるよう頑張ります。
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2020年4月10日
珠玉
主人公・真珠。っていう名前の女の子とかじゃなくて、あの、貝の中に入っているやつです。
そんなに好きじゃないかもーと思いつつ読んでて(すみません!)、ラスト近く真珠の献身で刺されました。真珠がこんなに献身的なの…。
世の中は、できそこない、だらけだ。
それでいいんだ。
ちょっとヤングアダルト風味も感じたので、表紙もっと違う感じがよかったのでは?紙の手触りすごくいいんですけども。図書館員さん方、そっとYAの棚に置いてみてください。
- 作者: 彩瀬まる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2018/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
なんでも出来るすごい人とかでなく、あなたに会ったことで私の人生が始まったの。
『珠玉』p204
※2022年11月、『珠玉』が文庫になりました!すごくいい感じの表紙で、帯をめくると仕掛けがあるそうです。気になる!
森があふれる
2019年、最大の問題作となったのはこちらですね…。
書評を書きました!
英訳されるらしいです、『森があふれる』。https://www.counterpointpress.com/books/the-forest-brims-over/
さいはての家
2020年の第一作は、こちら。
とてもよかった…。
書評を書きました!
彩瀬さんご本人にTwitterで届いたらしくて、ご挨拶していただきました…こういうの、ファンとしてとても嬉しいですね。
既刊も含めて、すごく丁寧に読み込んでくださってありがとうございます。嬉しいです!!
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2020年4月10日
(2023/01 文庫になりました!表紙かわいい〜)
まだ温かい鍋を抱いておやすみ
読了しました!
彩瀬まる『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』読了。食べものがいろいろなものを繋ぐ短編集。これは初期だなと思う作品もあり(当たってた)描かれるものの変化も面白い。あらゆるシチュエーションを構築しようとする中で、シュークリームタワーのラスト2行みたいなのをぽろっとそこに書いちゃうのが…!
— きまや (@kimaya4125) 2020年7月21日
- ひと匙のはばたき
- かなしい食べもの
- ミックスミックスピザ
- ポタージュスープの海を越えて
- シュークリームタワーで待ち合わせ
- 大きな鍋の歌
「今月のプラチナ本」は、彩瀬まる『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』 | ダ・ヴィンチニュース
草原のサーカス(長編)
さっそく2021年に最新作が!しかも長編!!
作者さんのTwitterコメントはこちら。
2月25日発売『草原のサーカス』(新潮社)の見本が届きました。かつて素晴らしいと思い憧れていたものは、実は素晴らしさだけで出来ていたわけではなかったのかもしれない。そんな心もとない惑乱の草原を、火に巻かれて走る姉妹の物語です。毎日走っている皆様と共に走る本になっていたら嬉しいです。 pic.twitter.com/6OB4ItbqIM
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2021年2月19日
読みました!めちゃくちゃよかったです。。。
彩瀬まる『草原のサーカス』読了。違う方向の職業でそれぞれ成功していく姉妹。架空のバブルに沸いた世界から感染症の流行する今までに、どこかで間違えていく。正しさが揺らぐことをビジネスがらみで描くのは意外だったかも。変わらない心象風景でのみ問題を淡々と打ち返すことができる。
— きまや (@kimaya4125) 2021年3月10日
雑誌掲載の新作 短編
ご本人のツイートで知りました!告知ありがたいです!!
本日発売の小説新潮五月号に、短編「なめらかなくぼみ」が掲載されました。なんと今年で20周年を迎えるR-18文学賞特集号!です!新潮社の女性編集者の皆様、本当におめでとうございます。20年前から「女性向け官能小説」の必要性を訴え、奮闘されたこと、心より尊敬します。 pic.twitter.com/zgvpm20odt
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2021年4月22日
小説新潮8月号には、「マグノリアの夫」という短編が収録されています。
小説新潮の『なめらかなくぼみ』と『マグノリアの夫』は、2023年の新刊『花に埋もれる』に収録されました!
発売中の季刊asta*VOL.4に、長編『桜と茂』の第一話が掲載されています。
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2022年7月29日
こんぺいとう商店街4「川平金物店」に登場したチャボの桜さんと飼い主の茂さんの話を長く書かせてもらえることになりました。第一話は過去作を大幅にリメイクしてあります。
一羽と一人で、これからゆっくり進んでいきます。 pic.twitter.com/Vkh8QCCRlD
川のほとりで羽化するぼくら (中編4作)
読みました!
すでに色んな人が言ってるけど彩瀬まるの新刊、一冊の中でのトびっぷりが潔いね、これ『わたれない』のノリだけだったら私「ふむふむ〜」って納得して終わり、情緒も何もなかったと思う(今読んでる
— きまや (@kimaya4125) 2021年9月23日
彩瀬まる『川のほとりで羽化するぼくら』読了。あらゆる枠組みを取り払って四篇、この構成がすばらしく好き。虚構を多めに背負っても、どこにいても立ち止まらなかった人たち。ラストに「ならば八艘飛びだ」に辿り着く思考の軌跡が力強い。
— きまや (@kimaya4125) 2021年9月23日
- わたれない
- ながれゆく
- ゆれながら
- ひかるほし
の4編。すばらしかったです。。。
本のニュースサイト「ナニヨモ」さんのインタビューを受けました。
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2021年9月22日
デビューから十年、おそらく初めて自分をどんな小説家だと思っているか聞かれたんですが、まず出てきた言葉が「迂遠」でした。遠回りばかりして十年が経ちました。https://t.co/DWskVZBNt3
『新しい星』(連作短編)
新刊発売のペースが早い…!文藝春秋で連載されていた作品ですね。
大学時代からの同期4人を行ったり来たり、連作短編集。タイトルはそれぞれ
- 新しい星
- 海のかけら
- 蝶々ふわり
- 温まるロボット
- サタデイ・ドライブ
- 月がふたつ
- ひとやすみ
- ぼくの銀河
読みました。
"なんらかの強烈な体験をすると、それまでと同じ場所に居るのに違う世界で生きているような感じがすることって、そんなに珍しくないと思うんですよ。"
— きまや (@kimaya4125) 2022年1月3日
「『新しい星』直木賞ノミネート決定! 彩瀬まるはなぜ、2人ではなく4人の姿を描いたのか」 | 瀧井 朝世 | 作家の書き出し https://t.co/BK6dEhJCvU
彩瀬まる『新しい星』読了。大学からの仲間4人連作短編集。辛いことがあって、呆然としながらも2年くらいコツコツと日々を過ごすうちに心の中からふわっと浮き上がる発想の転換ワードに撃ち抜かれながらも(最初の2篇)、年月が経っていくのでじっとしていられない、そこも含めて良い。
— きまや (@kimaya4125) 2022年1月3日
かんむり(長編)
2022年9月に、新刊!書き下ろし長編とのこと。タイトルは『かんむり』。
『骨を彩る』と同じ担当さんらしいです!
新刊『かんむり』本日発売です!
— 彩瀬まる (@maru_ayase) 2022年9月14日
ゆらゆらとにじんで溶け出しそうな青色の本です。
学校帰り、お仕事帰り、買い物やお散歩のついでに、ぜひ書店さんで手に取ってください。お待ちしています!
きれいなかんむりが、お手元で輝きますように。 pic.twitter.com/x422wrPBDe
読了しました!
夫婦モノ長編の書き下ろしということで、『森があふれる』的な緊迫感を予想していたら、なんだかゆったりのんびりできました。しかし問題提起がないわけはない。それでも共に生きるのだ、という話でした。
『骨を彩る』と同じ担当さんだというの、納得です。読後感が、通じるものがある気がします。
彩瀬まる『かんむり』読了。軸になっているのは夫婦で、それぞれ固有の体と心がある。10代から70代までなので違う意味で刺さったけど問題を抱えつつも雰囲気の柔らかな話でよかったです…。構成の流れもよかった。
— きまや (@kimaya4125) 2022年11月11日
佐々木ののかさんの書評が素敵です。
花に埋もれる
・なめらかなくぼみ
・二十三センチの祝福
・マイ、マイマイ
・ふるえる
・マグノリアの夫
・花に眩む
の6作品。花に絡めた短編集、とだけ単純に捉えることができないのは、デビュー作から収録されているから、だけではない。もう誉め言葉が見つからなくなっちゃった。
なんどでも生まれる
2024年5月に出ました!ポプラ社って表紙かわいい。
未読なのですが、主人公はチャボ?のようですね。。。???
でもそういえば、宝石の一人称で進む小説もありましたし(『珠玉』)、アリですね。
作詞
本日発売です。
— 最果タヒ(Tahi Saihate) (@tt_ss) 2021年10月28日
小説と詩を書きました。
詩は音楽になりました。
「透明稼業」
水野良樹さん作曲、崎山蒼志さん歌、長谷川白紙さん編曲。
小説「透明稼業」と
音楽「透明稼業」は、
本『OTOGIBANASHI(CD封入)』に入っています。こちら、本日から本屋さんに並んでます。 pic.twitter.com/9Y8jbuXPh0
このアルバムの一曲目、作詞が彩瀬まるさん!
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