書評におけるネタバレ
私はチェコ好きさんのブログが好きで、よく読ませてもらっています。
今日の記事が興味深かったので、個人的に色々書いてみます。
私はなぜブログで堂々とネタバレをしてしまうのか - (チェコ好き)の日記
私のコメント:「日の名残り」は何回読み返しても面白いので、結末を知っているかどうかは問題ではないと思う。でも未読の人は、事前には何も知りたくないのかも。
かく言う私は多分、ネタバレは受け付けない派だと思います。
でも人の書評を読むこと自体は好きなので色々読んでいて、でも途中でネタバレの気配を感じたら読むのをやめたりしています。
やめるということは、何も知りたくないんだろうなと思います。
何事も、自分で気付きたいという意識が強い。
私の書評
私は違うブログで去年から書評を少しずつ書いていて、そこではけっこうネタバレに気を使っています。ばらしたくないと思っているから。
あまりに過ぎたネタバレは、読者の購買意欲を奪う、なので、作家さんにとって営業妨害になる恐れがある、ということを書評家のトヨザキ社長が言っています。
(『ニッポンの書評』より)
例えば、最近私が書いたのは
佐藤友哉『ベッドサイド・マーダーケース』で見る「もしかしたらあり得る現実」。ーけむりを見ている
この記事ではまず、「題名が『マーダーケース』なんだから誰か死ぬことは書いていいだろう」と判断しました。
でもそこで「誰が」死ぬのかを書いていいものかちょっと悩みました、が、この本の場合は登場した瞬間死んでいるので、書いてもいいかなと思いました。
Amazonの内容紹介でも書かれている、というのも判断基準だし、本屋でこの本を手に取って1ページめくれば分かることなので、アリだと。
結末については?
逆に、話の流れや結末については何も書きたくなかったです。
設定の妙を楽しむ小説だと思ったし、主人公がどういう社会で生きているのか、という設定そのものがこの小説の売り、ひいては「核心」なんじゃないかと思います。
(小規模な『百年法』的世界だと捉えています)
ユヤタン(佐藤友哉の愛称)が気合い入れて思いついた(だろう)設定を、読み進めることで味わってほしいなと思ったのです。
…でもそれだけだと「普通の世界」の話だと捉えられるかもしれないので、自分なりに感じたこととして苦肉の策で『パラレルワールド』という言葉を使いました。
それと『原発』というキーワード。これが含まれているかどうかというのは、今の小説に関してとても大きなひっかかりであると思っているので、そこは紹介してみました。
今のこの現実とは少し違う現実の話だからこそ、物語が展開していくし、それでいて現実でもあり得る不気味なオチにも繋がるし、この2点は紹介したいなと思ったのです。
でもそれももしかしたら、自分で気付くまで知りたくなかった、
「現実世界の話だと思って読んでいたら実は近未来SF要素入っててびっくり」
というのを味わいたかった人もいるかもしれない…と思うと、自分の判断にちょっと自信をなくします。
書評は紹介に過ぎない、はず
世の中には、ネタバレをしている書評はたくさんありますよね。
ビジネス書の書評で「目次」を全部公開しているものもあります。あれは読む方の側からすれば内容が分かってとても助かるんですが、その書評を読んだ後に本を買う確率は、私の中ではぐっと下がります。何が書いてあるか分かってしまうので。
あと、『〇〇する30の方法』みたいな本でその「30の方法」を引用してすべて載せてしまっているとか、それは駄目でしょう、と私は思うのですが、どうなんでしょうか。
でも、ネタバレをしないと感想を書けない小説もありますよね。
そういう場合は最初に「ネタバレあり」と書いていただければ、そっ閉じですね。
私もそう明記していこうと思います。
こちらの『ニッポンの書評』は、ブログを書く上でとても勉強になりました。