前から読書ネタで「これ未読な人は夏に読んだらいいのになぁ特集」をしたいと思っていたので、今回さくっと書いてみます。
一夏の体験を題材にするのって、小説には多いですよね。
夏の読書の参考になれば幸いです!前半は名作すぎてありがちなラインナップなので、読み飛ばしても可です!
海外作品

- 作者: カミュ,窪田啓作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1963/07/02
- メディア: ペーパーバック
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最近よく『異邦人』のことを考えています。海水浴のシーンがあったり、殺人の理由が夏っぽさ満タンなので、夏に読んだらその共感できなさにびっくりできると思います(または共感してしまうのかもしれません)。有名だし難しいイメージがあるカミュですが、『異邦人』は短いから読みやすいです。
光が強すぎると世界は明るくなる一方で、影がくっきりと濃くなるという話。

- 作者: フランソワーズサガン,河野万里子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 文庫
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こちらは夏休みの話。思春期の女子の残酷さが際立つのは夏なのかな、と思ったり。「自由な夏休みはこれが最後」と思った時に、ずいぶん大掛かりで大胆なことをしてしまうんですよね。そしてそれは一生自分の体と心に残るわけなんですが、セシルは後悔しているだろうか?こんにちわしてる場合じゃないよ、もう。
身も蓋もないけど、結局はお父さんがいけないんじゃないか、と思います。

- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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『異邦人』同様、暑すぎてどんどん追い詰められる感があります。人間はあまりに暑いと冷静になれないみたい。そして暑いからって酒を飲むのはやめようと思いました(そもそも下戸ですが)。
暑くてどんどん参っていく感は大貫三郎訳がとち狂ってていいかもと思いますが、少し表現が古いのでやっぱり最新の村上春樹訳で読むのがいいかもしれません。
ディカプリオの映画も意外によかったです。「ディカプリオ見直した!」っていう人がTwitterで続出してましたね。逆にデイジー役の人が地味過ぎるとか言われてたけど、私はあの子めっちゃ好きです。デイジーってそもそも、そんなにすごく美人じゃないと思うんだよ。男の妄執なんだから雰囲気美人でいいんだよ。
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- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: DVD
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- 作者: テネシーウィリアムズ,小田島雄志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/03/30
- メディア: 文庫
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こちらは戯曲だから読みにくいかもですが、これも田舎の夏にうなされる感があります。とにかく、とにかく埃っぽそうです。
BLANKEYの『絶望という名の地下鉄』という曲の元ネタですね。まあそれは置いておいても、私は戯曲ならテネシー・ウィリアムズが好きなんです。
テネシー・ウィリアムズには『夏と煙』もありますね。そしてチェーホフ『かもめ』も最初のシーンが初夏だったような。シェイクスピア『真夏の夜の夢』とかもあるし、戯曲と夏は相性がいいのかもしれません。
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- 作者: ロバート・A・ハインライン,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ベタですが、SF入門にちょうどよかったので『夏への扉』も外せない感じ!私この新訳は読んでないんですが、どうなんでしょう?表紙はこっちの方が爽やかでいいなぁ。
あとSFで気になっている夏モノが、漫画『バーナード嬢曰く』で出てきた

- 作者: マイクル・コーニイ,山岸真
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: 文庫
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ですが、今年は手が回りそうにないので来年の夏に読もうと思っています。

- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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こちらは青春の始まりで始まって、青春の終わりでまた始まっていくので季節問わず読めます。でも最初の一文がこれなのでやっぱり夏に読むのがいいかなと思います。
私は二十歳の夏休みに読みました。
それは人類がはじめて月を歩いた夏だった。
カスタネッツがこの小説にインスパイアされて『ムーンパレス』という曲を歌っていて、そこから知りました。ありがとう牧野元。でも曲の方は春っぽいイメージなんですよね…。
私のオースター初作品なので、感慨深いです。

- 作者: イアンマキューアン,小山太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/28
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- 作者: イアンマキューアン,小山太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/28
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ものすごく長い話なので季節にこだわる必要ないんですが、最初の方の印象的なシーンが初夏なので、夏に読み始めると入り込みやすくていいと思います。
既読な人からしたら印象的なシーンってどこですか?あれですか?笑。っていう感じかも…。井上荒野さんは図書館のシーンだと言ってましたが、私は噴水のシーンです!
そして同じくマキューアンなら、デビュー短編も入っている

- 作者: イアンマキューアン,Ian McEwan,宮脇孝雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/06
- メディア: 単行本
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も夏感あふれていいんですが、こちらは内容が変態っぽいので、おすすめできるかどうか悩むところです。濃いのが好きだと面白いかもしれない短篇集。
でもこれ、マキューアンの長編を自分が読めるかどうかの試金石にできるんじゃないでしょうか?これが大丈夫なら『初夜』『セメントガーデン』読みましょう!駄目なら『ソーラー』『贖罪』です!

- 作者: スティーヴ・ハミルトン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/09
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回想シーンですが、印象的な夏のシーンがありました。こちらはアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞、英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞の英米2冠。最近の超ヒットでした。映画化ってどうなったんだろう?
この夏から僕の人生が始まったんだよ、みたいな爽やかさなので若い人にオススメかも?でも仕掛けがいいなぁと思います。
ミステリっていうよりも青春成長小説要素多め。泣いたよね…。文庫の表紙、雰囲気変えてきましたよね、ファンがニヤニヤしちゃうやつ!
という感じで、印象に残っている夏が舞台の作品でした。せっかく夏っぽいんだから夏に読んだらいいのになぁ!と思います。
他にもオススメがあったらぜひ教えて下さい。