『古典力』を読んでいます
これまた久しぶりに斎藤先生。あいかわらず文章平たいのか?しかも帯に先生の笑顔が…、と敬遠してしばらく積んでいたんですが、内容が文学のようなのでこちらをチョイス。
古典を読むための十カ条・第三条
古典は川の源流だ。支流からさかのぼれば古典に行き着く。古典に行き着くルートはあちらこちらにある。「さかのぼり読み」を心がければ、古典に自然になじんでいける。(p17)
つまりどういうことかというと、村上春樹の『1Q84』を読んで面白かったら元ネタのオーウェル『一九八四年』を読んでみようよ、ということです。ヤナーチェク聴いたり。
今までの私のさかのぼりっぷり
実は私、ずっとさかのぼり読みしてきました。だって例えば音楽ならラジオ聴いていればそこそこ情報は入るけど、本については昔は教えてもらえる場所もなく教えてくれる人もおらず、親の本棚を漁って読んでいるだけでは偏ってしまうので、どうにかして何かの痕跡を辿る、というのはかなり有効な手段だったのです。
そのおかげで好きになった作家さんもたくさんいるし、何より「元ネタなんだ…!ということはあの人もこの本が好きなんだ…!」っていう感覚は、その作品を非常に身近に感じられる手段でありました。
そこで、今までにさかのぼってみて「これは当たりだったなー」という本をご紹介したいと思います!
ただ分かりやすいさかのぼり読みだと芸がないので、ちょっと変化球で行きますよー。
音楽→文学
はい、ブランキーです。Blankey Jet City 『絶望という名の地下鉄』からの
テネシー・ウィリアムズ!!
このあと「あ、戯曲も読んで面白いものなんだ」と実感してからチェーホフも色々読みましたが、やっぱり今でもテネシー・ウィリアムズが一番好き。ベストは『ガラスの動物園』になってしまいましたが。
もちろん『小さな恋のメロディ』も観ました、はい。
小さな恋のメロディという映画を 観たことがないなら早く観たほうがいいぜ
俺の血はそいつでできてる 12才の細胞に流れ込んだまま まだ抜けきれちゃいない
更には
BUMP OF CHICKENにも同名の曲があるので多分関係ないんですが、(というか、タンポポっていう意味の英単語なので…)ブランキー『ダンデライオン』からの
メルヴィン・バージェス!!
こちら児童文学の作家さんということで、普通ならあまり手に取る系統ではなかったんですがタイトル買いしまして。(原題は「JUNK」でしたが)
これまた、ものすごくアタリ。今でも読むたびに泣きます。タイトル出てくるところで泣きます。女の子が初めてあの場面で…あぁ。
その後メルヴィン・バージェスも全部読みました。女の子の生き辛さ、男の子の葛藤などを描くのがとてもうまい!
『リトル・ダンサー』も書いている作家さんです。
そして
カスタネッツはyoutubeにあまり音源がないんですが、このアルバムの一曲目が『ムーンパレス』っていう曲なんです。
更にはラジオで牧野元が「この曲名はポール・オースターの同名の小説から取りました。内容はあまり似ていないけど、とても好きな本なので」と発言していたこともあり、読みましたこちら。
(牧野元と結婚したかったな…)
ここから私はオースターにドはまりし、今では新刊が出たら必ず買う作家さんになっています。むしろオースターが生きているから生きていける。 『ブルックリン・フォリーズ』読んでいないうちはまだ死ねない、と思うために買ってるけど読んでいない。私にとってはそれくらい大事な作家さん。
好きな作家3人選べって言われたら、オースターは絶対入れると思います。あとは…マキューアンとまいじょー?
さかのぼり読み、アタリが多い
あくまで個人的な実感ですが、音楽と文学という垣根も越えるくらいに「さかのぼり読み」はアタリが多い人生でした。『冷血』からの『冷血』とかも。(高村薫→カポーティ)
齋藤孝、いいこと言う。できればもっと早くに教えて欲しかったです。やってたからいいけど。
やったことがない人は、試してみてください!さかのぼっちゃってください!