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2018年下半期に読んだ本からおすすめ9冊!新刊でまとめてみた。

2018年下半期の読書

2018年下半期は、120冊くらい読んでいました。けっこう多かったですね!

つまり2018年は、186冊を読了したようです。(お勉強本除く)

 

年明けに、こんなツイートをしました。

ハッシュタグは2018年の本って書いているけど、選ぶ時に寝ぼけてて下半期のトップ9冊を選んでました!

ちょうどいいので下半期からのベスト9ということで、毎度おなじみのオススメ記事です。

 

上半期のオススメ本はこちら ↓!

kimaya.hatenablog.com

迷わず書ける記者式文章術 

迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン

迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン

 

Twitterで見かけて手に取った、『迷わず書ける記者式文章術』。記者式というタイトルではあるものの、ライターにぴったりだ!と刮目する内容でした。

 

論理を通した文章を書くって、大事。あれ、ライター限定ですらないかもしれない、会社でもたくさん文章って書きますよね。 

モジュール化や設計図(コンテ)といった考え方を文章に対応させることで、論理を通すことができるんです。 

 

文章には基本パターンがあるものなので、まずはそれを知ろう!という取っかかりになってくれる一冊でした。分かりやすいので迷わない。

 

【関連記事】

文章術の本でよかったものは、記事にまとめています。 

文章術の本をおすすめ15冊紹介するよ【文章・アイディア・日常・創作】

欲望する「ことば」

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欲望する「ことば」 「社会記号」とマーケティング (集英社新書)

欲望する「ことば」 「社会記号」とマーケティング (集英社新書)

 

『欲望する「ことば」』は、社会だのマーケティングだのの話を分かりやすく書いてくれています。

言葉は社会を反映するもの。そして言葉は、欲望から作られるもの。

 

嶋浩一郎さんは本屋B&Bの店主さんで、かつ本屋大賞の立役者でもあります。松井さんはマーケティングの専門家らしいです。話が分かりやすい系のお二人。ことばが好きな人はぜひぜひ。 

 

これだけ2017年の本なんだけど、刊行が12月だから許して。

【関連記事】

本屋好きの海堂尊(「チーム・バチスタの栄光」の作家)さんが、どうして本屋大賞は嫌いなのか。

たてがみを捨てたライオンたち

たてがみを捨てたライオンたち (集英社文芸単行本)

たてがみを捨てたライオンたち (集英社文芸単行本)

 

白岩玄を!信じていてよかった!

繊細系でも朝井リョウに負けたりしないんだぜ。男性主人公の繊細さよ。

彩瀬まると白岩玄を信じていることで有名な私だけどいまのところ信じててよかったと思ってるよ!

 

【関連記事】

白岩玄について、全作解説書いています!

白岩玄は『野ブタ。をプロデュース』だけの作家じゃないんだ。全作解説。 

彼女は頭が悪いから 

彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから

 

こちらを私の2018年Best1に決定しようと思って、某イベントで宣言してきました(参加者が話す時間があったのです)。

社会的意義がある一冊だと思う。村上春樹でいうところの『アンダーグラウンド』です。

胸くそ悪い事件の話なので、後味は悪いです。けれど、実際にあった事件が下敷きになっていることを考えると「後味が悪い」なんて言っておられず。

トラウマがある人にはおすすめできません。

 

最後に少しだけ救いのような言葉はあるけれど、闇が根深すぎて決して救われない話です。ここまで辛い目にはあったことがなくても、共感してしまう女性は多いのではないか。

 

後にブックトークで揉めたりしたようです。うん、それだけ問題作なんですよ。

『彼女は頭が悪いから』ブックトークに参加して見えた「東大」という記号の根深さ|はままり|note

ディス・イズ・ザ・デイ

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ディス・イズ・ザ・デイ

ディス・イズ・ザ・デイ

 

Best1は姫野カオルコだとして、ほのぼの&人情泣きのトップは津村記久子です!

 

サッカーの話なんですが、なんともマイナーにJ2の話なんですよ。更にいうと、22チーム、全て、架空のチーム。

みっちり固められた設定の妙と、それを応援する人々の悲喜こもごものリアルさ。11話、最終節のそれぞれの緊張感。順位によって違うじゃないですか、こういう結果の受け止め方って。

めちゃくちゃ面白かったです!!!

 

自分より大きな何かを応援することで、そのもの自体に影響を与えることなんてできないと思い知りながら、逆に自分のできることがどんどん増えていく。

何かを好きになるってとても素敵なことだなぁ、としみじみ思えます。「好き」のパワーってすごいぞ。人によってじんわり泣きポイントありそう。 

津村さんこれ書くの楽しかっただろうなぁ!(と思っていたら、あとがきにそう書いてあった)

 

【関連記事】

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』を青春音楽小説として全力で推したい 

津村さん作品で私が好きなのは、『ミュージック・ブレス・ユー!!』も。

静かに、ねぇ、静かに 

静かに、ねぇ、静かに

静かに、ねぇ、静かに

 

本谷有希子の新作、キレッキレでしたね。中編が3つ。

最初の数ページかなりエモくてびっくりしました。「あれ、私は今、川上未映子を読んでいるのか?」と思いました。が、じわじわと雰囲気を変えてくる皮肉屋の本谷さん。好き。 

 

『静かに、ねぇ、静かに』というタイトルは「SNS」に通じるとか…。オチがひどすぎるのに暗くないってすごくないですか?

個々のキャラ内面が生き生きしすぎていて、のめりこまずにいられない。最後の話のでぶさん、愛すべきキャラだと思うなぁ。。。好き。

 

こちら、一番最初に載っている中編『本当の旅』がKindleの無料試し読み出ています。太っ腹すぎ!

ネットしている人にぜひ読んでみてほしい、笑いながら肝を冷やせる小説です、人ごとじゃないかもしれないよ……。 

えっこれ川上未映子?感も味わってほしいので、ぜひ読んで!無料だから!(でも後味は悪いかもしれないのでご注意を)

『静かに、ねぇ、静かに』刊行記念 無料試し読み! 本当の旅

『静かに、ねぇ、静かに』刊行記念 無料試し読み! 本当の旅

 

本谷有希子さんインタビュー | BOOK SHORTS

回転草 

回転草

回転草

 

1ページ目で味わったズッコケ具合、『カササギ殺人事件』の下巻並みでした。

ちょっとSF、トンデモ系。なのにクールな草(←読んだら分かる)

 

宮内悠介や藤野可織が好きな人はハマると思います!こういう、日常の延長のように見せかけて設定が狂気なのとてもいい。さくっと読めるし。

そして何も解決されない!この世は地獄!

 

書肆侃侃房は侮れない…(「たべるのがおそい」を出版している福岡の出版社さんです)

 

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書肆侃侃房が手がけるブックカフェをレポートしています!

海外文学と詩と短歌が中心の本屋、「本のあるところajiro」

元年春之祭 

元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)

元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)

 

ここから海外文学です。 

華文本格ミステリ、時代モノ、ちょっと百合の気配がしなくもない。読者への挑戦状が出てくるタイプです。

うーん、ネタバレ防止するけどとても面白かったです。この作者さん、日本の本格ミステリの大ファンだそうで。 

日本の「新本格」への憧れから生まれた華文ミステリ 陸秋槎さん「元年春之祭」|好書好日

 

新本格ミステリが好きな人は、楽しめるのでは?

『元年春之祭』を読んでいたら、藤野可織『おはなしして子ちゃん』に入っている『ピエタとトランジ』を思い出しました。女子バディ謎解き、素敵。『友達以上探偵未満』とか。 

監禁面接

監禁面接

監禁面接

 

最後にもひとつ海外文学。個人的に「エンタメの帝王」と呼びたいルメートル、『その女アレックス』で有名になった人ですね。

今回は、中年就活サバイバル。

あらすじを読んだ時点ではナンセンスエンタメかと思ったんですけど、いやこれが意外と。。。

 

ルメートルの構成がさすがです。うまいなぁぁ。やっぱり帝王ですよ。けっこうな分厚さなんだけど、視点の転換もあって飽きずに一気読みできます。

あと、中年の悲哀…なかなかしみじみしてしまうエピソードが多々あり、人情話でもあり、伏線の収束が完璧なノンストップミステリでもあり。

これは徹夜本だ。

 

それにしても『監禁面接』とは、タイトルが微妙すぎない?……っていうのも含めて面白いんだけど、このタイトルで売り上げはどうなのか、ちょっと心配になります。

特別枠にオースター

死にたい気分になったら読む(そして浮上する)べく、オースターの新刊はあえて残してあります。

インヴィジブル

インヴィジブル

 

「辛くなったらこれを読もう」の一冊を作っておくの、おすすめです。私は最近なんだか無になってきたので、昨日から『タタール人の砂漠』を読み始めました(気持ちが無になったら読もうと思っていた) 

 

 

2019年も楽しく読んで生きましょう!

 

 

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