きまやのきまま屋

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2023年上半期に読んだ本からベスト10なんとなく

2023上半期、読了は69冊でした。減ったね~!

勉強していたのと、ちょっとやることがあったのと、疲れ目がアレなので意識的に控えました。

で、カウント数とは別に「読んだ」内実は7月中までを入れています。だって、津村記久子のあれを読まずに終われないだろうよ、2023上半期はさ…!

 

フィクションとノンフィクションでエッセイ半々、ベストには入れないけど好きだったのもご紹介して、なるべく新しめに総勢15冊?書いてる間に増えたかも?はりきってどうぞ!

フィクション

彩瀬まるの新刊『花に埋もれる』、作家としての真骨頂というか集大成というか、そんな感じの短編集でした。

時間的にはけっこう前の話(デビュー作)も入っていて、でもテーマとしては一冊まとまっていてすごい。新しい話ではしっかり「彩瀬まるってけっこう踏み込むようになったよね…」って感慨深くなれる。

今から彩瀬まる読むなら、これもアリ!幻想文学風味、7割くらい。ということで、大森望さんが解説を書いています。

彩瀬まる 『花に埋もれる』 | 新潮社

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源氏物語で古語訳の世界に行ってしまわれたのか…と思っていたら角田さん、しっかり新聞連載をしていたみたい。嬉しい。2022年に『タラント』出ていました。偉業だと思う。そして泣いた。

戦争から今までという、長い年代を見つめた話。義足のアスリートたちの日常と、社会で起こる理不尽なあれこれと、あきらめた何かと残ったものたち、孫の逡巡は平凡で。

本当に、ここ数年で一番泣いた。

タラントとは、あなたにたくさんあげたいもののこと。

タラント

タラント

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書いたことは少ないと思うけど、私、島本理生をデビュー作から全部読んでて。掲載誌今も持っていて。

『ファースト・ラヴ』もそうだったけど、島本理生作品の主人公は一般人ではない方が収まりがいいのかもしれない…今回は『憐憫』、ハマった良い設定だった。

 

内容はまあまあ俗な話なんだけど、表現すべて宝箱みたいになってた。こういうのを伝統芸能と呼びたい。

「おかしくなったのかと思った」と言われた時に言い返した主人公のセリフが好き。そしてラストの一行がすばらしい。

憐憫

憐憫

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さて、津村さんです。『水車小屋のネネ』、話題でしたね。

母親のことで苦労していた10歳差姉妹が、水車小屋のある町に移り住んで、ヨウムのネネと過ごす。働いたり勉強をしたり。色々な人がいるけれど基本的にみんな性善説で、人の良いところが見られる話。

人生に退屈しないための振る舞いは、人との関わりの中にしか存在しないのだと。

そしてそこにしか、何もないのだと。

水車小屋のネネ

水車小屋のネネ

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次点で柚木麻子さん『らんたん』と、本屋大賞一位だったのかな友達が教えてくれた凪良ゆうさん『汝、星のごとく』と、大好き南綾子さん『死にたいって誰かに話したかった』です!

 

金原ひとみさん『腹を空かした勇者ども』は元になった短編は読んでいて、すごくレナレナ好きだと思ったので最終形態の単行本もチェックしたいと思いつつ、間に合わず。。。

冊数が少ないと趣味が偏ることがハッキリ分かりますね、女性作家さんの方が好きなことが多い…と思いきや、白石一文も読めていないだけです。

 

外国文学だと、

これイチオシ。ヤングアダルトでフェミニズムを。

 

ノンフィクション

まず、2020年末に刊行されていたフィクション。コロナ禍日記で有名な作家さんなんですが、私がハマったのはこちらでした。

タイトルもだし、「弱さ」を受け入れる日常革命、という副題がいいですね。かなり等身大で読みやすかったです。考える系があり、脱力系もあり。

ご本人にもTwitterで反応をいただいたのですが、私は「肉だった」エピソードが好きです。みんな、鼻呼吸を大事にしよう!

 

 

次は、2022年上半期に出ていた安達茉莉子さん。こちらもエッセイ。原点っぽくてよかった。今の活動を知っていて読むと趣深い。個展に行ってみたいです。

この上半期、ほんとに安達さんが大好きだ。この記事書きながらもちよりradioのシーズン2を聞き返しています!

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次は、読んでいて息が詰まる往復書簡。スピード感がすごかった『急に具合が悪くなる』。

やっと読めました。どうしてかというと、宮野さんに年齢が追いついたから。追いつけたから、読みました。そして追い越します。こんなに全力で言葉を書けるあなたのことを尊敬しています。

 

磯野真穂さんも、新書をいくつか読んだことがあってけっこう好き。

「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉|好書好日

 

 

最後は、韓国からの翻訳本。

モヤモヤを解消してくれる一冊だけど、私はたぶんこれからずっと、この本について話したり何か語ったりすることはない。実際に読了ツイートすらしていない。読んだ、そしてずっと覚えている。

私たちは無理して何かを語らなくてもいいんだ、ということを教えてくれたと思っている、こんなタイトルなんだけどね。私は『当事者は嘘をつく』がけっこう辛かったので…。

「悪い人ではないから」と自分に言い聞かせて耐えてはいませんか?

p32

あっ、表紙イラストが安達茉莉子さんだ!

 

 

ノンフィクションは次点で、不可思議な旅&読書日記で選書がよすぎた『うろん紀行』、世代的にきっと君は泣く『無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記』、

もう一つ安達茉莉子さんの『生活改善運動』もよかったです。

 

そして今期の"読んでみたらよかった古典"は

でした!

ドイツ文学ってなかなか暗くて良い。

 

さて、下半期もボチボチ読みましょう!

 

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