最終更新日:2020/04/22
猫エッセイのおすすめ
猫の日なので、特別企画を。
今まで読み散らかしてきたエッセイから、猫モノをピックアップします!
猫のことを読んでいるだけで楽しい、そんな猫好きさんたちへ。
選んだ基準は、作家さんの猫愛が詰まったエッセイであること。
村山由佳『猫がいなけりゃ息もできない』
NHKの番組『NHKドキュメンタリー - ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。特別編「村山由佳ともみじ 軽井沢の日々よ 永遠に」』にも出演していた、村山由佳さんところの、もみじ。
村山さんの人生も波瀾万丈なんだけど(勇気づけられました…)、ずっと付き添っていたもみじ。Twitterでご存じの人もいるかもしれませんが、闘病記なので、ペットを亡くしたことのある人なら分かる様々な表現が出てきます。
またそれが、濃い。感情が、愛情が濃い。作家さんが本気で日常を綴ると、こうなる。(仲良しの編集者さんから言われて、リアルタイムにずっとメモをとってらしたそうです)
泣いたわ。。。前半から泣いてた。。。
村山由香『もみじの言いぶん』
2019年に発売された、上記『ねこいき』の続き、と言っていいのでしょうか。もみじ目線で語られる日常や、かーちゃんとーちゃんの話。
もみじはもう旅立ってしまっているので、けっこう泣き続けているかーちゃんを心配している…だけでもなく、関西弁でつっこみまくっています。
写真が半分を占めているので、手に取りやすいかと。もみちゃん可愛すぎて。
村山由佳『もみじの言いぶん』読了。猫から目線のエッセイと写真で、涙腺崩壊必須なやつ。あとがきにも書いてあるけど、もみちゃんは目が印象的で、飼い主目線のあらゆる角度からのぶちゃ顔にしびれるほど完璧なファムファタル感がある…。
— きまや (@kimaya4125) 2020年3月15日
こんな「運命の相手」に出会えることは、幸福以外の何物でもないけど、幸福以外もつれてくることがあるので、人生って(猫生も)奥深いものです。
となると、こちらも気になりますね! チェックしたいと思います。
笙野頼子『愛別外猫雑記』
外猫にまつわる奮闘エッセイ。この人は十数年前からTNR活動してたのかと驚きます。
責任を取らない餌やり人、弱い者いじめをする人の描写が妖怪じみてて怖いのと、団体でも個人でも「考え方の違い」が分かれ道と…。人を信じられなくなる!!
猫飼いの理想と現実をつきつける、純文学の女王。
体が弱くて人嫌いな論壇文学バトル系・笙野頼子が一般人の中で猫のために里親探しをするくだり、なかなか心に沁みます…。
TNR、餌やりについての考え方が変わる一冊。
町田康『猫にかまけて』『猫のあしあと』
【読了ツイート】
町田康『猫にかまけて』『猫のあしあと』読了。猫エッセイ。かなり破天荒なのがいたり病気の子がいたりと、猫多頭飼いで大変な町田家。読みやすくて写真は普通?笑えるんだけど、知識が必要なのと病院選びの大切さがひしひしと伝わってくる…。あとここの保護団体ひどいけどいい(笑)
町田康をあまり読んでいなくて、猫モノで講談社文庫っていうだけで手に取りましたが、アタリばかり。
とにかく多頭飼い(入れ替わり立ち替わり)なので、猫の生き死にについて考える機会が一番多いエッセイでした。
町田康『猫とあほんだら』
三作目、猫も増えてます。関係ない描写で飼い主心理を表すのがうまい町田康。あと、引越しは大変だよね。
猫の捕まえ方を紹介しないのは、もはやマナーなのです(悪用防止のため)
シリーズ3作通して読みました。日常にいかに猫が溶けこむのか、保護猫が家に来るとどういう苦労があるのか、引っ越しの様子など読み応え満載!
歴代猫たちの個性が光るのは、やっぱり町田康の筆力のおかげかと思います。
町田康『猫のよびごえ』
増えたり減ったりする保護猫の変遷と、現実逃避で繰り返し踊る町田康のコントラスト。
王様体質の子と人ずきん(ベシャ子)の同居は大変そう、そしてベシャ同士でも競争がある。
シリーズ4作目!やっぱり増えたり減ったりする猫たちと、家の中でのパワーバランス。人が嫌いで触られたくない猫と、人が好きで仕方がない脱力系猫の共存のこと、人好き同士のバトル、勉強になりました。
文庫の帯に「シリーズ完結」と書かれていたんですが、これでラストなんでしょうか?このシリーズけっこうハマって読んでいるので、続いてほしいです!
星野博美『のりたまと煙突』
お友達からオススメいただいた本。
この人、目線が鋭くてかつ独特だから女性は好きな人多いんじゃないかな。解説で角田光代もめっちゃ褒めてます!
猫たくさん出てきて楽しい。これは旅行記も気になってきた〜。
けっこうバトル系かもしれない。『のりたまと煙突』に出てきた猫たちの後日談は、『戸越銀座でつかまえて』に少し載っています!
角田光代『今日も一日きみを見てた』
【読了ツイート】
角田光代『今日も一日きみを見てた』読了。いつもTwitterで見ている角田さんちのトトはん、持病があるのね。賢くていじらしい良い猫さん。それを見つめるオタオタした角田さんと、しっかりした旦那さん。良いエッセイだった。写真がいちいち可愛い〜。
穏健派の角田光代はただただトトを愛でます。夫婦エッセイでもあり。
トトはん可愛いの。
新年初冬の開きです。寿。 pic.twitter.com/fGNdOBMqF4
— kakuta mitsuyo (@Kakutamitsuyo) 2016年1月16日
保坂和志『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』
【読了ツイート】
保坂和志『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』読了。はー、知的好奇心というのはこういうもののことをいうのか、と思わされる。日頃からこんなことを考えていたら忙しいだろう…と思う私は愚者であろう。題名のように素敵な文言もたくさん、猫ネタ小説ネタもてんこ盛り。
保坂和志『猫の散歩道』
文庫が出ていたことを今知ったので、今ポチりました。そして読みました!
日常と猫と記憶についての、短いエッセイ集。読みやすすぎて驚いたらあとがきに「保坂和志としては、はじめて短くて読みやすい」と書いてあって納得。
でも長さはせめて3ページ分くらいはほしい、保坂和志らしいひねくれ度が減る!!
井上荒野『夢の中の魚屋の地図』
ベテラン作家の井上荒野さん。作品はいくつも読んでいるけど、エッセイよんだことないかも。井上光晴の娘さんなんですよね。こちらも猫飼いです。
新しい首輪を買ってもらった俺。フォルクスワーゲン柄だぜ。 pic.twitter.com/CP2Sw8EqvJ
— 井上荒野 (@arereno) 2016年1月28日
女の子は水玉 pic.twitter.com/guXoLXphjl
— 井上荒野 (@arereno) 2016年1月28日
猫エッセイというにはちょっと猫エピソードのボリュームが足りないかな?という感じです。でも面白かった!
24年間のエッセイまとめ。初エッセイ集、面白かった。猫の話は少しだけで、作家の父とその娘としての話題が多かった。あと食について。こんなに料理好きだと生き甲斐だろうなぁ!
ハルノ宵子『それでも猫は出かけていく』
この作者さん、なんと、吉本隆之さんの娘であり吉本ばななさんのお姉さんなんです。
吉本家に集う、訳ありの元野良たち…。闘病しながらも明るく。とにかくたくさんの猫が登場します!
イラストも満載です。
未読だけど気になっている猫エッセイ
内田百閒、実は未読。
- 作者: ポールギャリコ,スザンヌサース,Paul Gallico,灰島かり
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 238回
- この商品を含むブログ (128件) を見る
持っているけど積みっぱなし。 そしてこれはエッセイじゃなくてフィクションですね。でもギャリコ好き。「猫が書いた」っていう触れ込みがいいですね。
続編もあるそうです。新刊!