(2018/06/16 更新)
文章本が好きです
2014年の終わりに、こういう記事を書きました。→文章系の本11冊まとめ!ブログ・考え方・創作など - きまやのきまま屋
2014年はブログを書くようになった年でした。だから勉強と思って、色々な文章本を読んだんです。
それからも引き続き読んでいて、けっこう冊数が溜まってきたので第二弾を書こうかなと!
(単純にこういうの読むのが好き!文章本ラブ!)
なるべく新し目な本を揃えてます。個人的に特にオススメな本には、☆つけています。
ご参考になれば嬉しい!
文章系の本
しっかり! まとまった! 文章を書く
オススメ度・最高の☆☆☆☆☆。
いや、これは読んでよかった。Amazonのレビューも評価がかなり高いです。
この前田安正さんという方は、朝日新聞編集担当補佐とのこと。
短い文章をいかに肉付けして長くするか、分かりやすく具体的に書くにはどうすればいいか。
文章に少しずつ肉付けしていく過程が紹介されていて、かなり納得しました!どう書いていいか分からない時に助けてくれる手法。
短文から書き始め、肉付けして起承転結をつけて、体験を再現したり型にはめたりして丁寧に一生懸命に描写していこうな!という作りの本。そういう姿勢が素敵すぎる、好き。
「読ませる」ための文章センスが身につく本
オススメ度、☆☆☆☆。
副題が「つかむ のせる 転がす 落とす」 名文に学ぶ4つのステップ、となっています。
引っかかりなくスラスラ読める文章を書きたい人にぴったり。
例文が工夫されてて、「モヤモヤ文章」と「イキイキ文章」の比較になっています。このモヤモヤ文章を、〜〜に気をつけて書いてみるとイキイキ文章になりますね!という話の運びが分かりやすかったです。
ジャンルはエッセイ、原稿、謝罪文と多岐に渡っています。ネットの話もあって、ちきりんさんのブログについて少し触れていました。
「自分の中で確信していること」を書くことこそ読む側に対するマナーなのです。(p29)
言葉コスプレは、ネット時代のコミュニケーションを円滑にする役割があるといえるでしょう。(p221)
うまい!と言わせる文章の裏ワザ
オススメ度、最高の☆☆☆☆☆!よく語彙力と接続詞について本を書かれている、石黒圭。
この本は「裏ワザ」と言うだけあって、価値基準の軸をたくさん示してくれます。表面の整え方と、もっと伝わりやすい書き方。裏ワザと言いつつも奇を衒っている感じはなく、基本は「読みやすさ・誤読をされないこと」を大切に。
書き言葉と話し言葉が混ざりがちな私は、かなり勉強になりました。読み手に違和感を与えること、すなわち悪。
文章の構成についても詳しく書かれています。でも何よりも「何を書くか」が一番。どういった場所であれ今文章を書いている人に、特にオススメしたい一冊。
一文一文の力を強めれば、文章に起伏が生まれ、接続詞がなくても話の流れがわかるようになります。(p185)
表現を見直すことは、自分自身の思考方法を見直すことにもなるのです。(p191)
ぼくらの文章教室
こちらはちょっと毛色が変わっています。だって高橋源一郎ですもの。単純な「文章教室」なんかじゃない。生き方に迫る文章たちが紹介されています。
初っ端から飛ばしてきます。最初に登場するのはなんと、「遺書を書くために字を学んだ」という寝たきり農婦、木村セン。その遺書の内容とは。
池袋母子餓死日記のことも。体が動かず貧困でことばしか武器がない人が、どのようにことばを使ったのか。ことばだけはいつまでも、使える手段で武器であるということ、そして死んでいく覚悟について…。
そして作家たちに圧倒的な人気を誇る、カリスマ老人作家・小島信夫の呆け始めてからの文章について。彼の呆けてからの文章って、本当に揺らいでいて。でも不思議な迫力がある。誰も文章を直さずそのまま出版されたようです。
かと思えばジョブズのスピーチの強みを分析したり、無名の人の文章や古典のパロディを取り上げたり。
「伝えたいこと」がなくて書く人もいる。そんな当たり前のことにもきちんと焦点を当ててもいます。
20歳の自分に受けさせたい文章講義
こちらちょっと古い本ですが、いつだって今日より若い日はないのです。よ!
古賀さんはこの後『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』で大ブレイクしましたね!この人は知らないけど『嫌われる勇気』は読んだよって人は多そう。
あの風変わりな文章を書いたのが、古賀さんです。思想はアドラー研究家である岸見先生のものだろうと思うのですが、共著という扱いなので、古賀さんがブックライターをしたという位置づけになるんでしょうか。
有名な学者さんが誰でもベストセラーを書けるわけではないので、古賀さんの働きがよかったんだろうなぁと思っています。
誰が読んでも勉強になりそうな、一般向け。もちろん若くない私にも。
表現力豊かに、気の利いた文章が書ける
いい文章の定義から、書き進めていく上での注意(目的地を変更しない、詰め込みすぎない)を見つつ、構成と言葉選びをどう工夫するかという内容。
サンプルの短文を2〜3回推敲してくれて、雰囲気の違いが分かりやすい。
ただ、これはネット向けの文章ではないかも?エッセイや投稿に重点を置いた書き方指南になっています。
著者の花井正和さんは、元朝日新聞社書籍編集部部長だそうです。新聞に投稿したい人向けに書かれているのかな?という印象。
例文がけっこう日本文学でよかったです。
考えたこと、思ったこと、感じたことなどを文章にまとめるのは、実は楽しいことなのだ。幸せなこと、と言い換えてもいい。(あとがきp196)
ほんとそれ。
削るほど良くなる文章の練習帳
削るほど良くなる文章の練習帳: すっきり! シャープ!いい文章が書ける
- 作者: 高橋俊一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: 単行本
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オススメ度、最高の☆☆☆☆☆!
「削る」ことがテーマ。削ることで文章をブラッシュアップする手法、すごく華麗でした。なんだよ、あれもこれも削れるじゃないかしかも読みやすくなるんじゃないか!
冗長な文章が文学的雰囲気を作ると思っていたら大間違いなんだよ…!(血反吐)
著者さんは、毎日新聞と朝日新聞で記者をされていた方だそうです。書き方も分かりやすく、練習帳と銘打たれているだけあって練習題がしっかりあります。これをやるだけで、文章が洗練されそう。ものすごく真面目にやりました。洗練、されたかな…。
削れ、削れ。自分の芯が丸裸になるまで。
すっきり! わかりやすい! 文章が書ける
一つ前と同じ著者さんで、すばる舎シリーズ。少し古めでより基本的。
必要な要素は、主語と述語と修飾語だけ。(p14)
という潔さ!この本では主に修飾語について書かれていて、シンプルで読みやすい文章を書くためのコツが説明されています。
これは超基礎と言えるかも。だからこそ、頭の中で思ったことを文章にするとどうもこんがらがる、という人にぴったり。
あなたのその文法の歪みは、個性ではなくただの混乱だよ!
ただ例題の文章が複雑すぎて、解答を見てもピンとこないことがあったのは私だけ…?登場人物が3人の文章をいかに整えるか、のところがとてもややこしかったです。
文化庁国語課の勘違いしやすい日本語
これは面白かった!読むだけでためになる系。知らなかったこと、間違えて使っていた言い回しなどあって一人で赤面できます。
正しい日本語を知ってニヤニヤしたい人向け!
私は「敷居が高い」という言葉の、本来の意味を知りませんでした。「破天荒」と「やおら」の意味もニュアンスを間違って使っていて、お恥ずかしい限り。
正しい日本語の練習
コンセプトは1つ前のものと同じで、 日本語の正しい言い回しが分かる本。でも内容にカブりがなかったので、併せて読むとより詳しくなれます。
ただ、こういうのは一読では身につかないですね…。あ、なんか読んだ気がするけど本来の意味ってどっちだっけ??ってなりがち。
言葉は移り変わるものなので、大勢の人が使うようになると意味が変わっていくのも当然なのですが、「本来の意味はこっち、最近増えた用法があっち」というふうに、きちんと把握しておきたいところです。
しっかり覚えられるまで、折に触れ読み返していきたいです。
あ、前田安正2冊目!
大人のための書く全技術
元祖・読みやすい文章を書く人・齋藤孝。
毎度ながらの言い切り断定っぷりには首をかしげてしまうところもあったけど、ビジネスメールを主に書くビジネスパーソンにはちょうどいいかと。
書く力とは何か、から話が始まるので、最初の方は読み飛ばしても大丈夫です!文章本が初めての人は、最初からじっくり読むと他の本はいらないと感じるかも…。
なかなか分厚くてかなり読み応えあり。そして初版は、第1章の1ページ目に誤植がありました…だめじゃん…。
アイディア・実用系
CMプランナー福里真一が書きました 困っている人のためのアイデアとプレゼンの本
CMプランナー福里真一が書きました 困っている人のためのアイデアとプレゼンの本
- 作者: 福里真一
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2014/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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名前の通り、困ったときに読むとよさそうな一冊。クリエイティブな仕事をしている人にも、「クリエイタータイプ」と「ノンクリエイタータイプ」がいるそうです。
自分はノンクリエイタータイプだとおっしゃる著者さんが、普段はどういうふうにアイディアを出しているか、そしてアイディアに詰まった時にどうしているか、かなり分かりやすく書かれています。 そして丁寧なプレゼンのこと。自分の思考過程を一緒に辿ってもらうという手法について。
今までに手がけた作品は、ジョージア缶コーヒー「明日があるさ」、サントリー缶コーヒー「宇宙人ジョーンズ」、子ども店長、エネゴリくん、トヨタ「ReBORN」などなど、とにかく売れっ子なCMプランナーさん。
あんなにヒットを飛ばしている人でもこんなに悩むもんなんだな…って思いました。
正論で争いを仕掛けてくる相手の言葉なんて真に受けるな!
これは、疲れる口喧嘩をしたくない人向け!かなりオススメです。
争いからは何も生まれないんだよ…正論を言ってそっちは気分がいいかもしれないけど、もちろん間違ってはいないんだけど、今それ言う?今言う必要ある?ただこっちを黙らせたいの?え、言いっ放し?でも言うこときかないと更に怒るの?事情を考えてはくれないの?っていう状況、よくありますよね。
そんな時は全力で逃げましょう。この本が後押しをしてくれます。
リアルでもネットでも使えます。
デビュー作を書くための超「小説」教室
高橋源一郎、2冊目!
これは文学の各新人賞についての話題が多かったです。 まさに「デビュー作を書く」という人向け。物書きのみなさんに。これを読んだらデビュー前の悩みが減ったりするのかもしれない、と思いました。
高橋源一郎は、賞の選考委員を務めた経験も多いですよね。だから一種、「文学賞の中の人」の発言にも読めました。文学賞の内幕を知ることができる本でした。
読書について
ここまで色々な文章テクニック本を紹介してきましたが、「そんなにハウツーばっかり読んでも意味ないやろw」って思った人にはこちら。
本なんて多読しても意味ねーからな!って叫ぶショーペンハウアー。超クール。
ドイツ語の乱れについてブチ切れまくっているところも面白かったです。
普通の言葉を用いて、非凡なことを語りなさい。(p71)
読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ。(中略)読書していると、ものを考える活動は大部分、棚上げされる。
(中略)
自分の頭で考える能力がしだいに失われてゆく。(p138~139)
こうやって文章本すら多読に走りがちな私には、とても耳に痛い言葉の数々。
これからは本を読み漁るのをやめて行こうと思いました…ただの趣味にします…。
普通の言葉で、自分の考えを語ることが一番重要なんだと教えてくれる一冊。文章テクニック本を紹介する最後にはふさわしくない気がしてならないですが(汗)、これは大事なことだと思いました。
他にもいくつか読んだのですが、本というのは当たり外れがあるものなので、個人的に当たりだったものだけご紹介でした!
文章を書く上で悩むことがあったら、ぜひどれか手に取ってみて下さいね!
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