1. 上様 匿名を「上様」とよく言われてた 街の真ん中、地下の寿司屋で
2.まれ 君が寝て僕が起きてて寄り添ってこんな生活まれで貴重で
3.ピアノ 放課後のグランドピアノの下で寝てたからあの子の指は知ってる
4.星座 燃えるクズ見ては星座を創り上げそうして命切り刻み跳べ
5.々 日々ならば記録してある写真あるけれど失くした記憶はどこへ
6.G 弦の音(ね)が好きで始めたバイオリンG線の圧と弓持て競え
7.眠 いつまでも眠れる布団に横たわり好きな曲だけ聴いていたいよ
8.紫 空の青よ全部が君の好きなあのイミテーションの散る紫へ
9. ひたひた 迫る日に押し寄せる夢ひたひたと今を濡らして今も生きてる
10.【枕詞】秋の田の 秋の田の稲穂を揺らしねこじゃらしだけ取って行く三号線沿い
あとがき的な文章
半年くらいこの企画に参加させていただいていて、「やっぱり短歌は難しい…」とTwitterで呟いていたら、はてなの他の企画で『短歌に悩んでいる人』として名指しで晒され「どーでもいい悩み」と評された私が来たよ☆
いや、そんなメンタルにくるほどには悩んでないから!!(そんなひどいこと言われたわけじゃないし、「真面目すぎて面白くないよねー」みたいなことは言われ慣れているので、いいけど)(しかし文芸とは、何ぞ?)(私の魂の危機がいつだったかなんて、誰が知っている?)
悩むくらいなら投稿を辞めてもいいのでは…と優しいアドバイスいただいたりしたけど、よくよく考えてみたら私の「難しい」は「知らない」に根ざしていて。
じゃあ知ればいいんじゃん、ということで何冊か本を読んでみた。
「短歌を読んだことも詠んだこともないけど、やってみたら天才だった!」っていう漫画的な展開はない、ということは分かったからね!
読んだ本3冊

- 作者: 枡野浩一
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枡野浩一『かんたん短歌の作り方』読了。これは単行本やリアルタイムで読んでいたらストイックすぎてついていけなかったと思う。納得できるところもあるけど、私は信者()にはならないかと。で、今読むと知ってる人や事象がボロボロ出てきて色々楽しかった。
— きまや (@kimaya4125) 2015年9月23日
技術的なところは…私が取り入れて大丈夫なのか?と思ったりもする。私は短歌の人間ではないな。でも基本を知ることができたので再読したい。
— きまや (@kimaya4125) 2015年9月23日
枡野浩一『結婚失格』読了。限りなく私生活に近そうなフィクションに、あとがきと特別寄稿(本人と穂村弘と長嶋有!)と他者からの解説と本人の覚え書きが重なって、なんかすごくメタメタして構造として独特に気持ち悪い。主人公は真面目かつ無自覚な自己中さで、人物としては面白いけど…。
— きまや (@kimaya4125) 2015年10月3日
ちなみにこの↑ツイートした後、なんか戸惑うことになってた。2日ほど追われてた。中の人なのかご本人なのかは不明…。
今さ作家さんから、感想であんまり褒めてないからか、全然関係ない数日前の私のRTをRTするという、私にしか分からない存在感を示された。
— きまや (@kimaya4125) 2015年10月3日
『結婚失格』はそんなに短歌の話じゃなくて、結婚(というか離婚)についてのエッセイ風フィクション、かつちょっと書評。ほむほむと長嶋有が好きだから面白かった。
『かんたん短歌の作り方』はアプローチがかなり個性的だけど、根本的な書き方について勉強になった。でも短歌について変わった思想を入れたくない人は読まないほうがいいかもしれない。
ていうかカトチエ…!小説家のイメージしかないけどここ出身だったんだ…!

- 作者: 窪美澄,瀧羽麻子,吉野万理子,加藤千恵,彩瀬まる,柚木麻子
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あと、これら10首を書きつつ

- 作者: 穂村弘
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を読んでた(まだ読んでる)。
こちらはガチの歌論集なので、フィクションより評論の方が読みやすい人はこちらがオススメ。時代と照らし合わせながら現代短歌を深く考えていて、伊藤整文学賞を受賞している。
これを読んでいて、私は「棒立ちの歌」を読むとはっとするんだな、ということが分かった。本流ではないんだろうけど、好みとして。
自分ではっとできる短歌を作りたい。そう思った。
【追記・読了した&もう一冊読んだ】
穂村弘『短歌の友人』読了。今まで知らなかったことを後悔するほど短歌面白い!と思える歌論集。とっつきやすい歌が多く載ってるので初心者でも読めて、どうしてそれが読みやすいのか、を解説する。短歌も文学だなぁ。
— きまや (@kimaya4125) 2015年10月13日
穂村弘『短歌ください』読了。雑誌で募集された素人さんの短歌をほむほむが短く評するスタイル。10代の人の歌が良いと思うことが多くて、若いっていいなぁと(笑)
— きまや (@kimaya4125) 2015年10月14日
【先月の短歌】