(2022/2 追記)
瀬戸夏子の新刊(『はつなつみずうみ分光器』)を注文しつつ、やっと読み終わった違う本の話をします。
瀬戸夏子『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』読了。とりあえず一周したのでメモ。難しいが読み応えの塊。愛媛川十三が出てきた。昔の「ほんのひとさじ」の文章まで載ってて嬉しい。日記とインタビューもよかった。
— きまや (@kimaya4125) 2021年6月4日
読み応えがあったのでぜひこちらみなさん読んでいただきたいのです。散逸してしまう運命にあった文章がたくさん集められているのでは?と思えて嬉しい。
え、だって同人誌とかフリーペーパーとか、電子化されて発売されることってそんなにないよね。つまり、本物を入手できなかったら読めないものですよね。一期一会。(「ほんのひとさじ」はAmazonで100円で売られているのでそれもすごい)
この本を企画してくれた人ありがとう。
そして私が取り上げたいのは、瀬戸夏子を作った10冊(より多い)。
分かる!と知らない…が交互に押し寄せるラインナップだったので、今後の読むべきメモとして残させてください。
※個人的メモを兼ねているため、本に出てきた順番とは違っています。
未読:
誰…?不勉強で申し訳ない。日記ですね。本書みたいな構成かな?
実はクリスティーをぜんぜん通っていません。姉がハマっていたのを見ていただけで。近年『春にしてきみを離れ』を読んで戦慄しましたが、こちらは知らなかったです。
kindleで買ったので近々読みます!
「メロドラマとして並ぶ」と、『ゼロ時間へ』の名前も挙がっていました。
『失われた時を求めて』には光文社新訳も出ていますが、指定されているのは ↑ 。
キルケゴールって名前だけ聞いたことある…。ちくま学芸文庫と白水社と角川文庫もあるけど、指定はこちら。出版年月調べてどれかを買いたいです。
知らなかったので読みたい2冊。前者についてはその作家さん自体がお好きみたい。後者は句集。川柳ですね。
ここから既読:
Kindleセールでラギッドガールを買った(瀬戸夏子の著書で見かけたので)、5年積んでるグラン・ヴァカンスから読む…!
— きまや (@kimaya4125) 2021年6月6日
取り上げられていたのは、「廃園の天使」シリーズの2巻である『ラギッド・ガール』の方です。でもいちおう前巻から読みます。日本のSFあまり読んでないのでこれを機に。
読み終わりました!すごかった…。
飛浩隆『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』読了。こんなに精緻な設定でそんな展開しちゃうの?と度肝を抜かれるSF。AIたちのあてどない終わらない夏休みに起こる異変。文体に慣れれば読めるがムーディーすぎる感…と思っていたら最後びっくりさせられた。
— きまや (@kimaya4125) 2021年8月12日
ラギッド・ガールの方は、前作の世界観を補完していく内容。。。かと思っていたら、切り口がすごい!
グラン・ヴァカンスはバーチャル世界のみで展開していましたよね。ラギット・ガールは「それを作った人」が出てきます。つまりリアル(フィクションですけど)
それがまた外でも揉めていて、だからこそ廃園の天使シリーズが始まったというメタ視点がありつつ、濃い。濃いですよ。
実は私も、三島由紀夫で何が好きかって、本当に正直に答えていいなら『美しい星』と『午後の曳航』です。
『美しい星』は映画にもなりましたよね(観ていない…)
いやもう、大学生の時に『美しい星』を読んだ時の衝撃はけっこう大きかったですマジで。
あああ若木未生!!
人の性癖をねじまげるやつ!!!
中学生でこれを読んだので私は高校でギターを弾いたしドラムセットに座ることに臆しない唯一の女子だったんだと思う。読んでよかったし好きだけど人生変えられてちょっと憎い(ドラムセットに座りさえしなければ結婚相手が変わっていた)。
高岡ファンではないはずなんだけど『AGE』はよかったよね…。
でもグラスハート(コバルト文庫)は姉が嫁に持って行ったので、我が家にはオーラバしかないんです。
幻冬舎コミックスで5冊か。。。買おうかな。。。
2年前に読んだと思う。すごく好きでした。
ロマンスでもあるんだろうけどロマンス部分が意味わからないよね、ぽかんとするよね、ねぇせめて手紙を読んでから来てほしいんだけど来てくれてありがとう!でも読まずに来るならもっと早く来て! 2000通とか書いちゃったじゃん!
瀬戸夏子さんはこの本に関連して「同じようにある意味で徹底的な反ミステリ」として私の大好きな
も挙げていらっしゃいます。カポーティの方で間違いないです。
そして「共同体における殺人」というテーマについて、初期の舞城王太郎を挙げてます。初期というからには奈津川家サーガのことですよね。ちょっとそういう捉え方をしたことはなかった…読み直して出直してきます。
最近『シンジケート』の新装版が出たとかで盛り上がっている穂村さん。
この『手紙魔まみ~』についてかなりの思い入れがあるらしき瀬戸さん。私もたぶん一回は読んだと思うんですけど、大人になってから読んだのでピンとこなかった感がある。
知らないうちに文庫になっていたので、再読したいです。
※この選書の内容は、単行本『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』のP269~P271に詳しく載っています。
文章の初出は、2016年2月に行われた歌集『かわいい海とかわいくない海 end.』刊行フェア@紀伊國屋書店新宿本店、で配られたフリーペーパーとのことです。
また、日記部分で触れられていた「選書フェアに選びたかったが品切れ、または入手困難」だった書籍たち(P283)
ジョージ・プリンプトン『トルーマン・カポーティ』
キャスリン・ハリソン『キス』
アニー・エルノー『シンプルな情熱』
ジャン・コクトー『ジャン・マレーへの手紙』
ヨシフ・ブロツキー『ヴェネツィア―水の迷宮の夢』
カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』
『結婚式のメンバー』を買いました!村上柴田翻訳堂のシリーズなんですね。第一作だそうです!思い入れがある作品なんでしょうね。村上春樹訳(解説も春樹)。
アニー・エルノー『シンプルな情熱』のことをツイキャスでも話されていたので、買いました。
「恋愛小説といえば?」みたいな文脈で、とても推していらっしゃいました。
終わった恋をはじめから終わりまで振り返る形式で、追体験をしています。そういう形式だからこその没頭感が強い!
サガンとか江國とか好きな人は絶対好きと思います。短くて読みやすいのでオススメしたいです。
当然ながら、ここでおこなう事実の列挙と記述の内には、アイロニーも自嘲もない。アイロニーや自嘲は、ある物事が自分にとって過去のものとなってしまってから、それを他人たちや自分自身に語るときの方法であって、その物事を体験している最中には用をなさない。(P38)
映画にもなってる?
さて、まとめてみましたがどうだったでしょうか。人の読書遍歴面白いですね~。
もりもりと読んで生きましょう!
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