こんなタイトルつけておきながら、音楽の話です。
同じことを違う言い回しで語っている歌詞を見つけようシリーズです。いや、逆だっけ?
前回はこちら。
目次です。
さっき、タイトルの通りに
「もしかして私たちって、自分を知りたいっていう欲求が何よりも強いんじゃないの?」と思ったんです。
私がナルシストなだけでしょうか?
しかし、私が私を知らずして誰が私を知る?
他人以上に深く知ることができる(はずの)、私そのものを突き詰めていくのが、人生で一番面白いコンテンツなんじゃないの?
なぜそんなに旅行に興味がないのか…とたまに奇異な目で見られる系の引きこもりたち、案外こんなこと考えてたりするんじゃないでしょうか。(単に消費コンテンツを掘ることが楽しい、という人もいるだろうけど)
舞城だって、作品内でJKにこう言わせています。
外国にはいろいろ行ってみたいけど……でもただ何かを見たりするだけなんて今はいらないなと思う。私は高一で、自分が自分の人生で何をやりたいのかがまだ判ってない。だからまずはそれを見つけたい。自分の頭で考えて、自分の気持ちを確かめたい。勉強したい。 『ビッチマグネット』
— 舞城王太郎bot (@maijyo_bot) 2020年1月23日
名言満載の『ビッチマグネット』(タイトルがひどい名作)より。
「自分の気持ちを確かめたい。」
ネットで散見する「何者かになりたい」っていう欲求は、私にはピンとこない。
私は最初から私のままだ。
まだ自分のことを全部知っているわけじゃないし、変わっていく部分だってある。それなのに一体ぜんたい、他の何になれるっていうの?
ということで、好きなバンドを紹介します。
ブランキージェットシティ
あたしの神様。(by 『Don’t Kiss My Tail』)
『COME ON』という曲の歌詞を紹介します。
2000年なので後期の曲。
怖がることは何ひとつない
ぼくたちは多分つながっている
確かなことは言えないけれど
今まで生きて解っちまった
だって答えはどこにもないよ
感じてることそれがすべてさ
『感じてることそれがすべてさ』
ベンジーがたまに「心をひらいて」っていうのがとても好きで、10代のころから、無条件にひらいてしまうよ!
ArtTheaterGuild アートシアターギルド
ピロウズの山中さわおさんプロデュースの、新しめなバンドです。
2枚目のアルバム『NO MARBLE』の一曲目。マーブルつながりで表題作なんじゃないかと私は勝手に思っている曲、『Marbles』のラスト
気取っていたい
それとこれは別で
寄り添いたいと思ってもいる
妄想の迷路を抜け出して
水面の向こうに手を伸ばす伝えてみたい
I want feel me!!
ここの、他者を必要としながらも自我に煩悶する描写がとてもいいと思うんです。曲もいいよ。
そして
「I want feel me!!」
が全てを表していませんか?
アートシアターギルドの新譜が秋に出てくれるおかげでこの2年、秋はとても呼吸が楽なんです。音もいいよ。
YouTube公式には他の曲しか上がってないんですけど、ぜひ聴いてみてください。
フラワーカンパニーズ
「生きててよかった」という歌詞のリフレインが印象的なこの曲、『深夜高速』。
確か、ドラマの『モテキ』で、いつかちゃんと気まずく深夜バスに乗っているシーンで流れませんでしたっけ。
「生きててよかった そんな夜を探してる」のところも勿論いいんですが、それに重ねて、この歌詞ですよ。
いこうぜ いこうぜ 全開の胸で
いこうぜ いこうぜ 震わせていこうぜ
もっともっと もっともっと見たことない場所へ
ずっとずっと ずっとずっと種をまいていく
全開の胸 全開の声 全開の素手で
感じることだけが全て 感じたことが全て
「感じることだけが全て 感じたことが全て」。
ハッとさせられませんか?そう言い切ってしまう潔さに勇気づけられる。
賢い人がたまに「感じることは不確定で移ろいやすいから、考えたことの方を大切にしよう」と言っているのを見かけます。考えたことの方が、論理が通っているはずだから。
もしかしたら、不確定なものを全てだと言い切るのは、賢くないことなのかもしれない。
知性主義め…!
けれど私は、自分が感じたことをまず自分が全肯定する、そんな姿勢が好き。
だってそうじゃないと、それを感じた自分、がいなくなってしまう。
考えるのはゆっくりでも大丈夫、まずは感じたことを言語化してみよう、言語化しながら認めて、同時に考えていこう。自分を自分で消しちゃだめだ。
みたいなことを本当に、高校生の頃から言っています。
この姿勢と、文学とをどう両立させていけばいいのか分からない。文学は完全に知性主義なので…。けれど音楽は、その差異を埋めてくれる。かんたんに。
FoZZtone フォズトーン
解散?活動休止?今は観られないバンドです。『ブランケット』が好き。ボーカルのソロ活動は全国であってますね。
『音楽』、という、直球の曲。
音楽、その音楽 俺を繋いで
Sci-Fi、あのSci-Fi 明日を照らして音楽、その音楽 俺を開いて
Hi-Fi、あのHi-Fi 今を照らして
「変わらぬ日常」なんてどこにも無いよ
俺の音楽、俺の音楽 今を照らすぞ
音楽
こちら途中で『君に聴かせたい』が2回入るので、少し違うかもしれないんですけど、音が繋いで開くのは俺だ、と言っている。
そのために音を奏でるのなら、それはもう、自分をはっきりと知るための音なんだろうと思うんだよ。
女性の曲を思いつかなかった…
というように色々と曲を探してみたんですけど、みんな「君と僕」のことばかり歌ってるんだなぁと感心してしまいました。
そして女性の曲を思いつきません。洋楽の方があるかな。
「君(あなた)から影響を受けてからの、今のこの僕(私)」という曲も多いです。
いや私はお前のオリジナルに興味があるんだ。まずはオリジナルの自分こそを詳しく知ろうとする、お前のその訳の分からない衝動を見せてくれよ。
自我を持て余してそれでも捨てられない煩悶を歌詞にしてくれよ!
この記事らへんのバンドはまたちょっと違う気もする(好き)
思いついたら書き足しますね! 情報があったら教えてください!
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