きまやのきまま屋

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2016上半期に読んだ本からオススメ12冊をご紹介!

2016年の上半期に読んだ本たち

今年は1月〜6月の間に、113冊ほど読んでました!漫画とコミックエッセイ除く。なかなかよいペースで楽しく読めてます。

この中に西尾維新「悲鳴伝」シリーズが入っていることを考えると、けっこうな文字数読んでます。いやあれ長すぎだから。全冊500ページ越えてるって。

 

さて、その読んだ本の中からオススメ本を挙げていきます!なんとなくキリよく、12冊選んでみました。

なるべく新刊、フィクション多め! 

フィクション

異類婚姻譚

異類婚姻譚

異類婚姻譚

 

本谷さんは私は『あの子の考えることは変 (講談社文庫)』みたいなメンヘラものか『グ、ア、ム (新潮文庫)』みたいなコメディが好きなんだけど、ここ数冊はけっこう文学してますね。

夫婦モノとして読んだらけっこうホラーかもしれない、これ。でも途中で異世界に行ってしまう。単純な「夫婦ってなんだか似てきちゃうよね」っていう話ではなくて、似てくることって異常なんだよ分かってる?と問われる感じ。

犬猫の話がよく出てきて、異様なリアリティがありました。人間関係の歯車が狂いだすのって、多分そういうところからなんだ。 

芥川賞受賞作。

 

グ、ア、ム (新潮文庫)

グ、ア、ム (新潮文庫)

 

  

やがて海へと届く 

やがて海へと届く

やがて海へと届く

 

彩瀬まる、ものすごく好きで。初期のkindleでしか読めない短編合わせて、全部読んでます。

男女問わずオススメしたい作家さんです。数年後には芥川賞獲ると、勝手に予想してます。うーん、多分、千早茜よりは後かもしれないけど。

 

なんかね、もう、言葉選びがいいし題材の取り扱いもいいし描写が神がかってる!

初期の江國香織を、最初から大人びててドリーマー色を消してヒリヒリさせた感じです。

その彩瀬まるの最新刊。東日本大震災がテーマになっています。彩瀬まるは元から、あの震災とは縁が深い人で。やっと書いたんだなぁと感慨深いものがあります。

震災モノだけど、読後感は希望があります。途中ちょいちょい出てくるファンタジー要素が綺麗でどんどん積み重なって、涙腺を刺激しました。「震災後の普通の生活に耐えられなくなる」事態は、多くの人が苦しんだんじゃないか。そこで何か幻を見たりするんじゃないか。

嘘を書かないと書けない本当のことって、あると思うから。

 

暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出

暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出

 

 

希望荘 

希望荘

希望荘

 

はい、杉村三郎シリーズ最新刊!

順番は『誰か』 『名もなき毒』『ペテロの葬列』ですね。『ペテロの葬列』だけドラマ化されてましたが、実はこれ全部がすごくいいシリーズなんです。

ペテロの葬列 DVD-BOX

ペテロの葬列 DVD-BOX

 

 

…惜しむらくは、暗い。

『希望荘』なんてタイトルでも余裕で暗いです。ほら、前作で三郎たち××したじゃないですか?それから×××になった三郎が探偵を始めて、人に助けられたりクライアントや周辺人物の闇を覗いたりしてます。短編集。

三郎は相変わらず生き方が丁寧で人に優しい。甘やかしじゃなく、本当に優しい。だからこそクライアントの方の闇がね…。

ただ、大家さん一家が変わり者だけどいい人そう。 続きが楽しみ。

 

アカガミ 

アカガミ

アカガミ

 

人の体は変わらないまま、メンタルだけが異様になった未来の話。選ばれた者しか手に入れることができない、政府に見守られながら子作りをしようぜっていう制度の名前が「アカガミ」…。

これ後述の『消滅世界』に影響受けているような気もしますが、そこは人生経験豊富な窪さんなのでもっと踏み込んできます。心だけがおかしいこと、そしてそれを利用しちゃう世界。狂っていても楽しい他者との生活。でもそれを選ぶと異端とさてれしまったり、生ぬるーく応援されたりして気持ち悪い!

 

ラストは雰囲気が暗いけど、よくよく考えたらこの設定の中での一番のハッピーエンドなのかもしれません。雨の描写がよかった。 

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

 

 

消滅世界 

消滅世界

消滅世界

 

もう、クレイジー紗耶香が怖すぎる…。かなりの問題作です。順番で言ったら『アカガミ』よりこちらが先で、もっと変。 

精神が狂ってしまった体も変わってしまった中で、何が人の幸せなのか?家族とは、性とは?という問いかけ。

体も心も順応しちゃう怖さがありつつ、でもまだ自然には逆らえないから歪みが出てしまって、最後にすっごく気持ち悪く・小規模に・個人的にぶち壊してきます。

世界に復讐しすぎやろ。  前作から振り切れてますね…コンビニ勤めで何かに開眼したんでしょうか…。

 

『消滅世界』の次作、『コンビニ人間』が芥川賞を受賞しました!

 

文庫化されるこちらもオススメ!

殺人出産

殺人出産

 

 

また、同じ夢を見ていた 

また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた

 

怖い作品が続いたので、ここらでべストセラーを。

前作『君の膵臓をたべたい』は青春モノだったけど、こちらは女性の一生を描いていました。

ちょっとしたトリックあり。でも分かりやすいから途中で絶対に気が付きます。気が付いた上で読み進んでいくことが前提になっている、多分。

「あの時ああしておけば」みたいな後悔をすくいとってくれる、優しい作品。そして単純な私はやっぱり泣けます。これから何回住野さんに泣かされるんだろうか…。

 

異郷の友人 

異郷の友人

異郷の友人

 

最近「純文学なのにブッとんでる」 人と言えば、バラエティテレビの露出が多い『スクラップ・アンド・ビルド』の羽田さんかと思います、が、上田岳弘も大概おかしいよ!

そしてそのおかしいところが、ものすごくいい。

おかしすぎてSFになってて、世界と宇宙とモンスターエンジンの話。そう、モンスターエンジン出てくるの。神様の話なの。

 

 

おかしすぎてSFっていうと『MとΣ』の内田薫風さんとカブってるように聞こえるかもしれないけど、内田さんより上田さんの方がロマンとユーモアがありますね。内田さんもあの詩的さは好きだけど、なんせ理不尽だからなぁ。

 

上田さんは前作『私の恋人』もよかったです。輪廻転生しながら恋人を褒めまくる話。まだ会ってもない時から褒めてた、どう考えてもおかしい。

男性作家では大注目です。カジケンさんの従兄弟でしたっけ?  

カジケンブログセレクション1(仮)

カジケンブログセレクション1(仮)

 

  

世界の終わりの七日間 

世界の終わりの七日間 (ハヤカワ・ミステリ)

世界の終わりの七日間 (ハヤカワ・ミステリ)

 

ここで海外ミステリーを。 『地上最後の刑事 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』シリーズが、二年越しで完結です。もう少し長くてもよかったのに…。

『地上最後の刑事』は、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。

 

設定が面白いシリーズです。地球に小惑星が衝突することが判明してからの、半年間。みんなで滅亡しちゃうまでの、半年間。

そういう状況になったら人間ってそうなっちゃうよね、普通(やりたいことリスト作って旅に出たり、欲望を開放したり)という人類のあたふたっぷりを見せつけながら、なぜか一途に捜査を続けちゃう一匹狼の刑事。クール。妹が問題児。

ラストよかったよー。希望も何もないけど(だって地球がなくなるから)、なぜか一周回って爽やかさがありました。

 

未成年 

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

 

マキューアンが、好きなんです! 

 

 

ノンフィクション

夢のなかの魚屋の地図 

夢のなかの魚屋の地図

夢のなかの魚屋の地図

 

あ、こちら二年前の本でした。でもすごくよかったので、オススメしたい。

女性作家さんで猫飼いで料理と食べることが大好きな井上荒野さんの初エッセイ。 

勝手に期待していたよりは、猫ネタの話が少なかったです。で、この方は実のお父さんも作家さんなんです。その関連の話がすごくよかった。父と娘が同じ職業だと、難しいけど、お父さんは嬉しいもんなんだろうな。 

表題作は母親の話で、とってもいい。

 

人生パンク道場 

人生パンク道場

人生パンク道場

 

帯で角田光代さんが「号泣した」って書かれていて気になって。猫ネタのところでしょうね。

読者からのお悩み相談に町田康が答えるスタイル。いやそれ全然解決できてないじゃんっていうものから、正論過ぎて絶句しちゃう回答まで。全部おかしな文体で乗り切っちゃう。

町田康ってもしかして仙人か何かなんじゃないの?

 

たった5分で体が変わる すごい熱刺激  

たった5分で体が変わる すごい熱刺激

たった5分で体が変わる すごい熱刺激

 

こちらは去年末の健康本。目からウロコのタオル温熱法です。

ものすごく評判がいい『弱った体がよみがえる 人体力学』の著者さんの新刊です。夫がオススメしてくれて、読んでみたらなかなかよかったです。なんとなーくずっと体の不調を感じていて治らない人や、体が弱いと感じている人、冷え性な人に。 

温めるだけじゃなく、湿気も必要らしいんです。それは知りませんでした。

 

 

12冊挙げてみました!気になる本があったら、ぜひ読んでみてください^^

 

 

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