あんまり大声で言うことじゃないかもしれないんだけど、私、…東野圭吾ふつうに好きなんですよ。
タイトル通り、今回ガリレオシリーズを全部観ました。
2000年代にテレビドラマだったので懐かしさもありつつ、2024年の今でも映画新作が公開されたり旧作が地上波放送で盛り上がったり、元気なシリーズ。
これが東野圭吾の代表作になるのかな?(私はドラマも映画も『白夜行』が忘れられない!そして新参者シリーズも好き)
『容疑者Xの献身』、Twitterのトレンドに載ったりして盛り上がってましたね。そしてガリレオってそもそも映像化のアタリ作で、映画がよかったよね…?とかすかな記憶をたどり、シリーズの映画版だけ観返してみました。ありがとうAmazonプライムビデオ。ドラマ版も軽く観られて好きだよ。
三作目は初見。
容疑者Xの献身
これは、堤真一がいい。
途中で「松雪泰子が薄幸すぎる!」と思う場面もありつつ、それがミスリードでもあるので、そこもどんでん返しポイントですよね。
話の筋としては、アリバイトリック。数学者の考えた完璧なアリバイを、物理学者はひっくり返すことができるのか?という。
ネタバレになるんですけど、私はこの「え、結局はストーカーになるの!?」というミスリードからの反動もあって、真の動機が沁みましたね。恋愛ではなくて、母娘ともども幸せになってほしいだけなんだ、と。
捨てるはずの方の手紙にはちゃんと娘の名前が書かれているところとか。映像での思い出しシーンも、平等に映されていました。
身だしなみに気を遣ってみたのも、「あの母娘の父親として家族に収まれるか?」という視点だったんだろうなぁ。
しかしまあ、報われないものです。あのあと司法はどうなったんだろうか。と思っていたら『沈黙のパレード』で軽く回収されました。
テレビドラマを見ていたので、設定に入り込みやすくてよかったです。とはいえ、原作を読んだことがあるにしても内容をほとんど覚えていないで楽しく観れたので、映画だけでも成立していると言える作品ですね。
真夏の方程式
こちらは、今回の地上波放送祭りにはなぜか載らないみたい。
柴咲コウじゃないのかよ、という不満はテレビドラマ版で納得した後なので、特に抵抗はありません。今見ても、吉高さんの振る舞いはいい感じ!(感じは悪い)
『容疑者~』では雪山登山というアクティブさを見せたガリレオ。ここでは真夏の素潜りでした。映像が良い。夏。
子役の演技もいいですし、ガリレオ映画で一番好きかも。正直二回泣いた。
原作の方が多少、エピソードは多かったと感じます。映像化するにあたって削られた箇所がある気がする。
沈黙のパレード
こちら今回初見でした。アマプラ無料に来た!と思ってウォッチリストに入れていた。
まずこれは、2022年だけどコロナのない世界を描いています。そこがよかった。すごく大変だったと思うけど、のんびりしたガリレオ先生が下町に馴染んで楽しそうにワイワイやり、数人で大きなパレードを見る、という世界観が実現されていた。
あのパレードの存在感と、「人はたくさんいるのに沈黙が多い!」というのがカギになる作品なので、コロナ禍を感じさせない演出でこそできることですね。
で、2017年のことを懐かしく悲しく思い出す人たちのノスタルジック描写が綺麗です。でも5年前とかなんだけども、とは思う。悲しいことで美化されてしまうのか、映像が綺麗すぎるのか。
『容疑者~』から始まる「友達ってなんだろう?」の回答もありました。堤真一がいいんだよね、とか言ってる場合じゃないわ。でも変人と友達になるのって大変よね?
続けて観てよかった!!!と心底思えました。
まとめ
ガリレオシリーズなぁ。映画としてはなぁ。懐疑的。
全体的に、いかにもっぽいというか玄人受けはしないだろうというか。
ミステリ的には無理があったり、キャラもの映画でしかない感じはありつつ、世界観がブレないまま20年近く続いている点が希少で稀有なシリーズだと思います。でも完成度が低いとも思わないんだよなぁ、もう少し長く作ってくれたらいいのかなぁ。『沈黙のパレード』は特に、あと20分やっていいと思う!
「真実は人を幸せにするのか?」をテーマにし続けているところ、頑張って追求していってほしい。
読んでいなかった新作も、これを機に読んでみたいと思います。
あ、『禁断の魔術』の映像化も観てないかも!
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